佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

1日限定 四国高知の酒蔵めぐり & 「第17回土佐新酒の会」と太平洋パノラマトロッコの旅

『1日限定 四国高知の酒蔵めぐり & 「第17回土佐新酒の会」と太平洋パノラマトロッコの旅」』

に参加しました。

「土佐新酒の会」はチケットが入手できないほどの人気イベントだそうで、今年の参加者は620名。告知し一般に広報する前にチケットが売り切れてしまうほどらしい。そんなイベントに県外から参加できるとは、恐悦至極に存じます。

 バスは ”Yuttarina+” シートピッチがゆったり広くとってあり、最後尾に広いトイレとパウダールームがある車両です。バス車中でゆっくり酒を飲みながらくつろげる仕様。酒、ビールをじゃんじゃん飲んでもトイレがあるから安心。酒呑み旅のために造られたような車です。感激!

 乗車するなり配られたのは土佐酒造「桂月 原酒」と西岡酒造店「吟醸酒 一本釣り 生貯蔵酒」。土佐のおつまみ付きだ。それぞれ300ml入りなので車中でこれを飲むだけで3合以上になる。一日目はこの二つの酒蔵を見学する。仮にそれぞれの蔵で利き酒に1合ずつ飲ませていただくとすると、昼間だけで5合を超える。いやはやまいった。

一つ目の蔵に到着。土佐酒造は四国のほぼ真ん中、土佐町にある。吉野川の源流域にあり、水に恵まれた自然豊かな町だ。ちょうど酒蔵の前の民家に移動販売の車が停まっており、近所の人が食料品を買い求めに来ているところだった。まるで時計が昭和40年代に戻ったような田舎の原風景でした。懐かしい。

お昼を挟んで蔵見学2軒目は西岡酒造店。中土佐の港町にある蔵で、創業236年という古い蔵だ。二度の南海大地震をくぐり抜けている。仕込み水は四万十川の伏流水を使用。コクのある辛口。後口は土佐の酒らしくキレがある。鰹のタタキをアテに飲んでみたい。夜にある土佐新酒の会で試してみようと心に誓う。

高知の街中に入ると「ごめん・なはり線」の電車が行き来する。この風景が好きだ。

宿泊は「ザ クラウンパレス新阪急高知」。第17回土佐新酒の会の会場にもなっている。とにかく土佐18蔵の新酒がこれでもかと用意されており、飲み放題なのだ。600人を超える人が2時間ばかりひたすら飲みまくるのだ。すばらしいのだ。土佐はエライ!

 

抽選会でお隣の席のコムさんが酒の皿鉢を当てる。

私のつれ合いはホテルのディナー券を当てた。

私は酒を当てました。ラッキー!

「土佐新酒の会」で酒を浴びるほど飲んだ我々だが、お開きの後は当然街に繰り出した。ひろめ市場でさらに飲んだ。

鶏皮餃子。

鰹の塩たたき。いろいろな店がありますが、私はやいろ亭のものがウマイと思います。

四万十川海苔の天ぷら。

高知の人間は夜遅くなっても帰りませんなぁ・・・

よー飲みますわ。

ひろめ市場で生ビールや「南」をグイグイやった後、我々はさらに街に繰り出す。

「土佐酒バル」

おびや町小路の「たに志」でイタドリをアテにさらにビールを飲み、〆はお茶漬け。ここの茶漬けはウマイ!

一夜明けて、朝食はプレーンオムレツとトマトジュース。もちろん他にもたくさん食べましたけれど・・・

8:20にホテルを出発。

今日訪問する蔵の酒が配られる。

今日の酒蔵見学は案内人付き。土佐の酒にむちゃくちゃ詳しい弘瀬さんです。土佐の酒のことなら何を訊いても全部答えていただけます。すごい。

司牡丹酒造。こちらの酒は土佐らしいキレがあり、私も愛飲しています。仕込み水は仁淀ブルーで知られる清流仁淀川の水。

二軒目は仙頭酒造場。キチンと整理整頓清掃が行き届いている印象。こういうところに蔵の姿勢が見える。この蔵は素晴らしい。

「土佐しらぎく 純米大吟醸酒 氷温貯蔵」

マイナス5度で3年間寝かした大吟醸酒。滑らかでスイスイのどを超す飲み口。飲めば飲むほどさらに欲しくなるタイプの酒。私のような酒好きには危険な酒です。蔵見学の試飲にこの酒を惜しげも無く出してくださるあたり、この蔵の気遣いが感じられます。私はこの蔵を応援したい。

お昼からは「ごめん・なはり線」をパノラマトロッコ列車で走る。当然、酒とアテを買い込み宴会状態です。

司牡丹酒造の

司牡丹生鮮酒<春>土州霞酒

果てしなく広い太平洋を眺めながら、春のこの季節しか飲めない酒を飲む幸せ。最高です。

土佐はもう田植えが終わっています。

 

『高知居酒屋辞典』(株式会社ほっとこうち刊)

 昨夜、第17回土佐新酒の会で浴びるほど酒を飲み、ひろめ市場で「やいろ亭」の塩たたきをアテに「南」を飲んだ。さらにおびや町小路の「たに志」でイタドリをアテにさらに酒を飲み、〆はシラス茶漬であった。ページをパラパラめくると「やいろ亭」も「たに志」も紹介されている。私の選択は間違っていなかったのだ。次に高知を訪れたときは「千松」(せんしょう)のクジラ料理にしよう。よし、決めた!

 出版社の紹介文を引いておきます。

古くから愛される味わい深い老舗から、 話題のビストロ&バル、個室を多数備える人気居酒屋までを厳選取材。 膨大な情報を一冊に凝縮させた居酒屋選びの完全保存版!

 

 

高知居酒屋辞典

高知居酒屋辞典

 

 

『なぜ私は左翼と戦うのか』(杉田水脈・著/青林堂)

『なぜ私は左翼と戦うのか』(杉田水脈・著/青林堂)を読みました。

 

なぜ私は左翼と戦うのか

なぜ私は左翼と戦うのか

 

 

 現下の我が国の状況で、これだけストレートにご自分の意見を述べられたことにまず敬意を表したい。というのもこれを読んだ左翼系似非人権派、似非知識階級はきっと杉田氏に矛先を向けるに違いないからである。たとえどのような誹謗中傷攻撃に遭おうとも、間違いは間違い、正しいことは正しいと云う杉田氏が清々しい。私は西宮市に奉職中の杉田氏を存じ上げている。極めて常識的な考えをお持ちの方で、決して偏った見方をする方ではない。彼女が敢えて夫婦同姓は家庭の基本であるとか、男女平等は実現し得ないと云い、共産党民進党蓮舫氏を非難するのは現下の情勢を憂えてのこと。火中に身を投じても正しいことを伝えたいという一心からだろう。

 

仙介 特別純米 白麹 無濾過生原酒

本日の一献は泉酒造の新酒『仙介 特別純米 白麹 無濾過生原酒』でございます。

兵庫県山田錦100%、麹の一部に白麹を使用して醸した酒。

アルコール度は13%と低めで、甘酸っぱい味わい。

食中酒としては甘ったるい感が否めない。飲み口がよいので、キリッと冷えた状態で少量を硝子の器に注ぎ乾杯酒としていただくのが良いのではないでしょうか。

しからば食中酒はと冷蔵庫から取り出したのは『香住鶴 生酛 純米 荒走り』。

アテは「カニ味噌」と「タラの芽とこごみの天ぷら」。

しみじみうまい。

『ぶらり京都しあわせ歩き ~至福の境地を味わえる路地や名所、五十の愉しみ~ 』(柏井壽〈京都しあわせ倶楽部編集主幹〉・著/PHP研究所)

『ぶらり京都しあわせ歩き ~至福の境地を味わえる路地や名所、五十の愉しみ~ 』(柏井壽〈京都しあわせ倶楽部編集主幹〉・著/PHP研究所)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

 京都には「しあわせ」が溢れている――京都に生まれ育った生粋の京都人である著者が、京都を歩いてみた実感である。京都人でも、京都が大好きで何度も訪れているリピーターでも、おそらく気付いていない、もしかしたら、見逃しているかもしれない、京都のそこかしこに潜んでいる、至福の境地を味わえる五十の「しあわせ」を惜しげもなく紹介。京都を愛し、京都の街をくまなく歩いている著者だからこそ、気付けた「しあわせ」の数々。風景あり、食あり、体験あり。ガイドブックには載っていない、京都のしあわせ旅が体験できる。本書を手に、ぶらりと京都の街に出かけてみよう。きっと、あなただけのしあわせも見つかるに違いない。

 

 

ぶらり京都しあわせ歩き (京都しあわせ倶楽部)

ぶらり京都しあわせ歩き (京都しあわせ倶楽部)

 

 

「しあわせ」とは心のありようである。同じ道を歩き、同じ景色を観て、同じものを食べても、「しあわせ」を感じる人とそうでない人がいる。そういうことだ。その良さが分かると云うこと、その味わいが分かると云うこと、そこにはその人の感受性とモノや出来事に対する深い造詣が関わってくる。つまりはたしなみが必要だということだ。書籍はそうしたたしなみを身につけるためのアーカイブの役割を担ってくれる。柏井氏の旅モノ本を携えて旅に出よう。「しあわせ」はそこにあるはずだ。

上郡~智頭・花見サイクリング

2017/04/16 今年の桜ももう見納めと花見サイクリングに出かけました。究極の晴れ男たる私、一週間前の天気予報では土曜、日曜ともに雨模様だったのをひっくり返し晴れにしてしまいました。土曜日はゴルフ、日曜日はサイクリング、どちらも好天に恵まれました。

 上郡駅から智頭駅まで67.8㎞を自転車で走り、智頭駅始発の普通列車で上郡まで一両編成の鉄道旅。どちらも景色が素晴らしく、春を満喫する旅になりました。

 

 

 

 走行距離

  67.8km

最大標高差

  421m

平均斜度

  全体:0.3%
  上り:2.3%
  下り:2.5%

獲得標高

  上り:468m
  下り:373m

日時

  2017年4月16日 09:20:55
  ~ 2017年4月16日 14:45:36

所要時間

  5時間24分41秒

平均速度

  12km/h

 

上郡から徳久までは千種川を北上。

徳久から佐用に抜け、373号線を北上。

平福で蕎麦の昼食。「瓜生原」にて。

大原の町。

 智頭街道を千代川沿いに下る動画です。

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智頭町は花盛り

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『凶器は壊れた黒の叫び』(河野裕・著/新潮文庫nex)

『凶器は壊れた黒の叫び』(河野裕・著/新潮文庫nex)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

君が求めたものは、夢か、幸福か。新聞部の創設。柏原第二高校に転校してきた安達は、島で唯一の小学生・相原大地のために部活動を始めることを提唱する。賛成するクラスメイト達だったが、七草はそれが堀を追い込むために巧妙に仕組まれた罠であることに気づく。紐解かれる階段島の歴史と、堀が追い求めた夢。歩み続けた七年間。その果てに彼女が見つけた幸福と、不幸とは……。心を穿つ青春ミステリ、第4弾。

 

 

凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)

凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)

 

 

『いなくなれ、群青』から始まる階段島(かいだんとう)シリーズ4作目。思い起こせば1作目『いなくなれ、群青』を読んだのが2014年9月のことだった。その後、2作目『その白さえ嘘だとしても』を2015年6月に、3作目『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』を今年の2月に、と読み進めてきた。

 

 

いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)

いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)

 

 

 

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

 

 

 

汚れた赤を恋と呼ぶんだ (新潮文庫nex)

汚れた赤を恋と呼ぶんだ (新潮文庫nex)

 

 

 このシリーズ、読むのに結構苦労する。まず物語の舞台となる階段島という島の存在が難しい。階段島がどんな島なのか、それを正確に説明することは難しい。人は成長していく過程で「そうありたい自分」になろうとする。そのことはとりもなおさず「そうありたいと思いながらもそうでない自分」を抑え、自分の中で折り合いをつけることに他ならない。だがそうした自分の中での相剋に折り合いがつかない場合、人は「そうありたい自分」になるために「そうありたいと思いながらもそうでない自分」を捨て去るしか術がない。この小説(階段島シリーズ)の中ではそのようにして邪魔になった自分の一部を魔女に差し出し、魔女は差し出された人格を別の人として魔女が創り出し管理する世界(階段島)に閉じ込める。階段島とはそういう島です。解っていただけるだろうか。

 このシリーズを読んでいらっしゃらない人は、いきなり「魔女」と聞いてびっくりでしょう。そう、この物語の一番重要な要素はこの「魔女」なのです。「引き算の魔女」。自分に必要のない人格を消し去ってくれる魔女がいる、という都市伝説からこの物語は始まっている。

 私は思う。何かを得るためには何かを捨てざるを得ない、そんなことはいっぱしの大人ならば解りきったことだ。人はすこしずつ何かを捨て去りながら年を重ねる。年を重ねるほどそんなことにも鈍感になっていくのだろうが、それが若者なら、自分の尖った部分を捨て去る痛みはちょっとやそっとのことではない。このシリーズに登場する若者は皆、純粋で真っ直ぐだ。それゆえ、捨て去られた自分が己に対すして持つ憐憫は痛々しいほどだ。成長すると云うことが「弱い自分や間違った自分を捨て去る」ことだとすれば、どうしてそのままの自分ではいけないのかと思い悩む。その青さ、感傷がこの小説シリーズの魅力である。たまらない。どうしようもなく、私はこの小説に出会ってしまった。

 はたしてこの小説は恋愛小説なのか。それは読み手によって意見が分かれるところだろう。シリーズ4作目まで読んできてわかるのは、主人公・七草にとって真辺由宇はいつも不快な存在であるということ。しかし同時に不快な存在が消えて欲しくない、そのままでいて欲しいと願っていること。そんな真辺に寄り添い守ろうとしている。”嫌いで好き” ややこしい描き方だが、やはりこれは恋愛小説なのだろう。

 おそらくこの小説シリーズは好き嫌いがはっきり分かれる。少々乱暴だが、私はある仮説を立ててみた。KANの歌う『愛は勝つ』を好きな人間はこの小説シリーズが嫌いで、『愛は勝つ』を嫌いな人間はこの小説シリーズが好きなのではないだろうか。例の「心配ないからね 君の思いが 誰かにとどく 明日がきっとある どんなに困難でくじけそうでも 信じることさ 必ず最後に愛は勝つ」ってやつです。というのも、前に書いたように河野裕氏は「好き」という感情を「不快」という感情で表現するようなややこしい作家だからです。おそらく河野氏ならば「最後に愛は勝つ」などというフレーズをを口が裂けてもつぶやかない。おそらく「愛が弱いものならば、そんな人生はいらない」みたいなことを宣うのではないか。ちなみに私はKANの歌う『愛は勝つ』が大嫌いです。(笑)