佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『「いいこと」が起こる人、「悪いこと」が続く人 PHP2017年10月増刊号・特別保存版』(柏井壽、曾野綾子ほか/PHP研究所)

『「いいこと」が起こる人、「悪いこと」が続く人 PHP2017年10月増刊号・特別保存版』(柏井壽、曾野綾子ほか/PHP研究所)を読みました。

 

 

【巻頭チェックリスト(あなたは、「いいこと」を引き寄せる人?)】をやってみた。「いいこと」が続く人かどうかを性格や行動傾向から判定してくれる。私は46点、「B」タイプで”「いいこと」をつかもうとする人”だとの診断でした。「活動的で実行力のある人で、何ごとにも積極的にトライするし、持ち前の要領のよさも手伝って、物事を成功に導くことも上手。いいことを引き寄せるというより、自分から積極的に動いてつかもうとする人」だとのこと。イヤイヤ、それほどの男ではありませぬ。しかし、そう診断されたことは素直に歓ぼう。おだてられて歓ぶのは「バカ」な振る舞いかもしれませんが、バカに見えてもそうしている方がしあわせではないか。「A」タイプ”「いいこと」を引き寄せる人”までではないにせよ、少なくとも「C」タイプ”「いいこと」も「悪いこと」も起こる人”や「D」タイプ”「悪いこと」が続きやすい人”よりはいいではないか。物事をプラスにとらえ感謝の心を持つ、これが毎日を幸せに生きるコツだと思っています。

 さて、本書を読んで判ったのは「人生は楽しいものであり、楽しみは引き寄せるものである」と言うこと。願いを持つ、情熱を持つ、自分を信じて行動を起こす、人を大切にする、感謝する。そうしていれば楽しみやら幸せやらは引き寄せられる。そういうことでしょう。

 柏井壽さんの『古都いいことめぐり 京都を歩いてしあわせになる!』に紹介された美味しいうどんがワンコインで食べられる店『殿田』、同じくワンコインで手作りの洋食が食べられる店『ますや』には行こう。自転車で京の町を気の向くままポタリングしよう。「いいこと」を具体的なかたちに現すとしたら、そういうことでしょう。

 

とろろ料理 倭風酔

2017/09/14

居酒屋3連チャンの二晩目。

姫路市白浜町の「倭風酔」で知人Tさんと呑みました。

相談事を受けていたこともあり、残念ながら料理、酒の写真はありません。

天然の自然薯を使った料理にこだわる店。出てくる料理すべてがやさしい味で滋養が体に染み込むようです。

ここなら酒を飲まなくても満足できそうです。次はつれ合いに運転してもらって来てもいいな。

ちかくに中村の屋台蔵があります。

祭りの季節には各村の出入り口には日参(にっさん)が建ちます。

 

 

『Shingu - RHYTHM OF NATURE 自然のリズム』(新宮晋・著/ブレーンセンター)

『Shingu - RHYTHM OF NATURE 自然のリズム』(新宮晋・著/ブレーンセンター)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

●BCBOOK.com●風や水で動く彫刻で知られる世界的なアーティスト、新宮晋の仕事を集めた作品集。自然の働きに魅せられ、その本質に迫ろうとする作家の世界が、各国の作品の写真やスケッチ、計画案などを通じて紹介される。実体としての彫刻はもちろん、今にも生命を得て動き出そうとするかのようなスケッチが楽しく興味深い。    このモビールを生き生きと動かす推進力には、神秘的な、はっきりしない何かがあるようだ。まるで自分の意志で翼を傾け回り始めるように見えるが、どんなすぐれたモーターの仕組みでも、こんなに感度の良い反応を生み出すことはできないだろう。このモビールは、あたかも詩人の繊細な神経を授かったかのように、目に見えない自然の力(この場合は熱空気の流れ)に対する答えを、動きにして私たちに見せてくれる。    ルドルフ・アルンハイム ハーバード大学名誉教授・芸術心理学    自然と人工の融合する場の創出というのが新宮のコンセプトであろう。風、水、光といった自然の力を環境のなかでより敏感に感じるように増幅する。それは動きをたのしみ、動きをよろこぶという全身的な反応を呼び起こす。それは「動く芸術」以上のなにものかなのである。     中原佑介 美術評論家

内容(「MARC」データベースより) 自然と人工の融合する場の創出をコンセプトとした新宮晋の作品集。独特の”動く芸術”を豊富なカラー写真で紹介していく。
著者について ●新宮晋(しんぐう・すすむ)1937年生まれ。東京芸術大学美術学部油画科〔昭和35年〕卒。風で動く彫刻の第一人者として世界的に有名。舞台企画や演出、絵本制作など活動は多彩。'02年毎日芸術賞特別賞。昭和35年ローマ国立美術アカデミアに留学。絵からレリーフへ、さらに完全立体へと関心を移し、動く立体造形を始める。41年帰国し、以後大阪万博、野外彫刻展等で活躍。46~47年ハーバード大学視覚芸術センターから客員芸術家として招かれる。風や水を動力にした作品「羽ばたき」「双子星」「虹の木」などがあり、“空気の専門家”と呼ばれる。近年は建築家、レンゾ・ピアノと組んだ仕事が多い。平成12年21点の風で動く作品を1個のコンテナに収納し、1年8ケ月をかけて自然の中で展覧会を行いながら世界を回るプロジェクト「ウインドキャラバン」をスタート。また50年から絵本も手がけ、「いちご」「じんべえざめ」「小さな池」などがある。-受賞歴-吉田五十八賞(第4回)〔昭和54年〕「雑草の森学園」;現代日本彫刻展国立国際美術館賞〔昭和54年〕;現代日本彫刻展兵庫県立近代美術館賞〔昭和54年〕;長野市野外彫刻賞〔昭和55年〕;日本芸術大賞(第18回)〔昭和61年〕;横浜ビエンナーレ野外彫刻展大賞〔昭和61年〕;ヘンリー・ムーア大賞展特別優秀賞(第6回)〔平成1年〕「星の神話」;倉吉緑の彫刻賞(第3回)〔平成6年〕;神戸須磨離宮公園現代彫刻展宇部市野外彫刻美術館賞(第14回)〔平成6年〕;大阪芸術賞〔平成7年〕;毎日芸術賞(特別賞,第43回)〔平成14年〕「ウインドキャラバン」;紫綬褒章〔平成14年〕▼また、唯一の建築作品として、ブレーンセンター本社「風の万華鏡」の総合設計を手がける。〔平成4年4月竣工〕

 

Shingu―自然のリズム

Shingu―自然のリズム

  • 作者: 新宮晋,アン・ケーリ
  • 出版社/メーカー: ブレーンセンター
  • 発売日: 1991/06/01
  • メディア: 大型本
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 新宮さんの作品は自然の中にあって、或いは都市環境の中にあって、際だってそこにある。そこにある種の緊張感を生み出してもいる。しかしその際だってそこに存在するものは、そこにある環境(空気、湿度、温度、雨、風、雪、水、木々、空、雲など)に感応し、それらを動きとして我々の目に見せてくれる。その佇まいは際だってはいるが決してぎくしゃくせず、そこに溶け込んでいる。それはまるで自然や環境が人間の言葉を獲得し人に語りかけてくるかのようである。

 今年の夏、美ヶ原高原美術館へ行った。そこでは山と空と雲と「星のコンパス」が友だちになっていた。

 

菊屋

 今日の居酒屋は「菊屋」です。久しぶりにIさんと一緒に飲みました。

 まずは挨拶代わりのITSUHA。津山の酒蔵、多胡本家酒造の清酒銘柄「加茂五葉」からのネーミング。淡い色と豊かな香りのケルシュ。飲み会の幕開けにぴったりのビールです。アテは野菜を使ったお通し3種。

金目の刺身。

 酒のチョイスはお店のオススメに従い土佐の銘酒3種を飲みました。「売り切れ御免」と歌ってあります。「豊の梅」は残り少なく飲み切っちゃったので「売り切れ」ちゃったと思いますよ。飲みたかった方には悪いことをしたかもしれません。

最近のお気に入り「しらぎく」。

百日地鶏のタタキ。

縞ホッケ。油がたっぷりのってうまい。

「豊の梅」

『ロセアンナ 刑事マルティン・ベック』(マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー:著/柳沢由美子:訳/角川文庫)

『ロセアンナ 刑事マルティン・ベック』(マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー:著/柳沢由美子:訳/角川文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

 

全裸女性の絞殺死体が、閘門で見つかった。身元不明の遺体に事件は膠着するかに見えた折、アメリカの地方警察から一通の電報が。被害者と関係をもった男が疑われるが――。警察小説の金字塔シリーズ・第一作

 

 

刑事マルティン・ベックロセアンナ (角川文庫)

刑事マルティン・ベックロセアンナ (角川文庫)

 

 

 警察ものの金字塔との名声高い「刑事マルティン・ベック」シリーズ全10作の記念すべき第1作目。このシリーズを読んでいなかったとは我ながら実に不覚でありました。ミステリーを沢山読んでいらっしゃるという知人Y.S.さんが大好きだと仰ったのでこのシリーズの存在を知ることとなりました。今日まで知ることのなかったのは著者がスウェーデンの作家だということも影響しているかもしれません。日本ではどちらかというとアメリカやイギリスなど英語圏の作家の小説の方が、他の言語で書かれたものよりも目に触れる機会が多い傾向があるように思います。

 さて、実は本書を手に取ったときになにかしら引っかかりを感じておりました。それが何かはその時にははっきりしなかったのですが、訳者・柳沢由美子さんのあとがきを読んでその原因がはっきりしました。それは題名となった事件の被害者の名「ロセアンナ」にありました。アルファベット表記で”ROSEANNA"。そう、英語読みするならば「ロゼアンナ」と濁るのが一般的なのだろうと思います。実際に以前、1975年に高見浩さんの訳で出版されたときには『ロゼアンナ』であったようです。高見浩さんは英語版からの翻訳であったそうだ。今回、柳沢由美子さんの翻訳は直接スウェーデン語からのものだといいます。それがどういう事情なのか? そのあたりのことを訳者あとがきから引きます。

 前の訳本のタイトルは『ロゼアンナ』だったと記憶する読者がいるかもしれない。そのとおり、英語から訳された ROSEANNA はロゼアンナと、SEの音が濁音だった。スウェーデン語にはザジズゼゾの濁音がなく、サシスセソとなるので、まずはタイトルから原語に忠実に『ロセアンナ』と訳することにした。地名と人名はすべてスウェーデン語の発音に準じた。

なるほどです。

 また、以前は夫婦の共作と紹介されていた マイ・シューヴァルとペール・ヴァールーですが、正確には結婚しておらず同棲だとのこと。このあたり宗教的な束縛からの自由が時代のムーヴメントとなり「フリーセックスの国」として有名になりつつあった1965年当時のスウェーデンの世相を映し出しているようで興味深い。日本の出版社が同棲と知っていたのかどうか。1975年当時の公序良俗を慮って敢えて同棲を夫婦と伝えたのならそれこそ興味深い。そこまでは考えすぎでしょうけれど。

 さて、本題の小説の中身ですけれど、抑えの効いた書きぶりでシブイ警察小説です。エド・マクベインの「87分署シリーズ」に似たテイストの小説で、登場する刑事は主人公も含め普通の人。人間臭く欠点もある。容姿がカッコイイ訳でもなく、超人的な強さを持つ人でも天才的な頭脳を持つ人でもない。いわゆるヒーローではないのだ。それがかえって事件解決までの過程にリアリティーを与えている。そして、第一作の主役は主人公マルティン・ベックではなく、導入部分で被害者として死体となって登場したロセアンナである。1965年当時としては最も進歩的だといえる生き方、経済的自立と性の自由とを獲得し男性に頼らず生きる女性として描かれている。死後、ロセアンナを知っていた人たちからの聞き取り調査で明らかになった人間像。知的で古くからのキリスト教的束縛や固定観念から解放されており、あくまで論理的に正しいことを信奉し、自分に正直に自立と自由を重んじる女性。この女性像があったればこそ、第1作目にして絶大な人気を博したのだろう。しかしその後の社会の変化は急激で、今となっては「ウーマンリブ」という言葉も死語となっている。その意味で本書は既に古典的存在となっており、味わい深く読めるのもおそらく私の世代が最後だろう。今の若い人には正直なんのことかわからないのではないか。

 さて「刑事マルティン・ベック」シリーズ全10巻は古書ではあるが私の手元に揃っている。今も「87分署」シリーズを少しずつ読み続けているように、これから少しずつ読んでいくことになるだろう。本作は柳沢由美子さんの新訳で読んだが、高見浩さんの訳でも読んでみたいところ。時間が欲しい。読まずに死ねるか、読むまで死ねない、ですな。

 

まい泉・やわらかヒレかつ弁当

 今日は東京出張。

 蔦屋書店代官山店を視察の後、北川一成さん、吉永淳さん、凸版印刷さんらと仕事の打ち合わせ。プロフェッショナルな方ばかり。刺激的な一日でした。

 東京から大阪に向かう新幹線車中の晩飯。今日はまい泉の「やわらかヒレかつ弁当」にしました。ビールはロング缶2本。

 抜きん出た才能を備えた方々と会った後だけに、自分はつくづく俗物だなぁと実感する瞬間。まぁ、それはそれで幸せですけれど・・・

ズワイガニの和風オムライス

今日のランチは代官山蔦屋書店にて「和風オムライス」。書店二階のカフェ・アンジン(Anjin)で軽快なジャズを聴きながらの食事です。

 ライブラリーにはグッドセンスで選ばれた書籍と「平凡パンチ「太陽」「VOGUE」などの雑誌が整然と並べられ、手に取られるのを待っている。温かな照明に包まれた空間で、軽快なジャズを聴きながら食事と珈琲やアルコールを楽しみながら楽しむ。極上の時間です。ライブラリーの閲覧だけでなく、一階蔦屋書店の書籍をこちらで読んで選んでも良い。座席数120席。蔵書30,000冊。蔦屋書店に拍手パチパチ!  才≡⊃"├!(*'-')//”パチパチ☆

 ライブラリーからチョイスしたのは「家庭画報 1978年6月号」。巻頭特集は卵料理。オムライスを食べたうえに卵料理の特集とは・・・我ながら大した卵好きである。

 岡本太郎さんの愛用の道具(凶器)の記事が興味を引いた。素材との格闘、なるほど彫刻とはそうしたものなのかもしれない。

 下着の広告もいいですね。なんというかそこはかとない品を感じます。

「クリナップ・ステンレス浴槽」の広告に藤城清治さんの切り絵が使われている。藤城さんは93歳になられた今も創作活動を続けていらっしゃるか影絵作家。岡本太郎さんの記事といい、藤城清治さんを起用した広告といい、すごいなぁ。1978年といえば私が大学に入学した年。この雑誌が発売された頃には、大学に受かった頃の向学心はどこへやら。私の頭の中は女の子をものにすることが80%、麻雀の腕を上げることが20%という状態であった。「おぉ神よ、罪深き私を許したまえ」などと思いながらさらにページを捲っていると「ダイハツ シャルマン」の広告があった。あぁ・・・もう言葉になりません。

 松下店長に店内をご案内いただいたが、わかったことは「此処は天国のような場所である」ということ。朝7時から26時まで開いているそうな。本に囲まれて、好きな本をチョイスし、酒も飲めるそうな。代官山に住みたいぞっ! こんな店に入りびたりたいぞっ! 此処で仕事をしてもイイぞっ! 此処で仕事が出来るなら、給料はタダでイイぞっ! 
 以上、ウェルズの魂の叫びだとさ。