12:00 淡水会総会
15:30 眠眠にて二次会
餃子とジンギスカンをたらふく食う
17:30 二次会終了 帰途につく
姫路駅からはチャリで帰宅
『おいしい旅 錦市場の木の葉丼とは何か』(太田和彦・著/集英社文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
旅先には名物だけでなく「おいしそうな店」がある――旅の達人・太田和彦が出合った全国各地の絶品をカラー写真とともに紹介。メニューは丼から中華洋食、魅惑の麺類、創意工夫の酒肴と幅広く、読んで写真を眺めれば、訪れたくなること間違いなし! 「サンデー毎日」誌上で人気を博した連載コラムから、京都・松本・浜松・神戸・盛岡・東京の厳選30品を収録。旅情とグルメが詰まったカラー文庫。
まずは表紙の写真に喜ぶ。これは根岸の「鍵屋」ではないか。サブタイトルが「錦市場の木の葉丼とは何か」であるのに、東京の居酒屋が表紙を飾るとはこれいかに、などとスルドク突っ込みながらも、太田氏には居酒屋のカウンターが似合うのだ、ウンこれでイイのだ!と妙に納得する。
中身はといえば、いつもの居酒屋一辺倒というのではなく、食べ歩きに重点を置いている。丼、麺、中華、カレー、洋食と決して高価で贅沢なものを追いかけず、市井のうまいものを写真入りの旅エッセイにしてあります。
なるほど、京都の中華は引き算なのか。舞妓さんなどの着物にニオイのつかない店とな。中華はいさぎよくコッテリ油っこくいって欲しい気もしないではないが、食べてみたい。もちろんうどん屋さんの丼物も良い。街角にあるちょっとした店のレベルの高さが京都なのだろう。
また特に臨場感を持って読んだのは松本の旅。「あや菜」「きく蔵」「季寄料理 よしかわ」と私も行ったことのある居酒屋での料理と酒が書いてあります。ただ、中華「百老亭」の麻婆豆腐は知らなかった。私も大の麻婆豆腐好きである。超粗挽きの肉、青太ねぎのぶつ切りの入った花椒たっぷりのせのヒーハー麻婆豆腐ときけば、これはもう行くしかないではないか。今年に入って既に四回松本を訪れた私であるが、近い家にもう一度行こう、松本へ。いや、松本だけではない。浜松へも、盛岡へも、もちろん東京へも行く。その前に近場の神戸を制覇せねば。あぁ、忙しい。
本日の厨房男子。
昼飯にカレーを作りました。
ほうれん草とトマトのカレーの相がけ。
6月14日は新月の日。
今月の朔の会に出席しました。
『伝説のエンドーくん』(まはら三桃・著/小学館文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
中学校の職員室を舞台に、14歳という繊細で多感な年齢の子どもたちと日々真剣に向きあう中学教師たちの、リアルな姿を描いた連作集。その中学校には代々語り継がれる伝説のヒーロー「エンドーくん」がいる。校内のあちらこちらに残された「エンドーくん」にまつわる落書きの言葉が、それを目にした悩みや葛藤を抱える教師や生徒の一歩踏み出すきっかけとなった。なぜ「エンドーくん」が伝説となったのか?その謎がラストで明かされる―。坪田譲治文学賞受賞作家の傑作が待望の文庫化。巻末に文庫版のために書き下ろした「エンドーくん」のその後の物語を収載。
物語の舞台は中学校。著者・まはら三桃さんが児童文学作家だということを考え合わせれば、おそらく北上次郎氏の次の言葉がなければ私は本書を読んでいなかっただろう。
「児童文学界には一般小説に転じても十分に傑作を書き得る作家がたくさんいるが、まはら三桃はそのうちのまぎえもなく一人なのだ」
本の帯に書いてあったひと言である。私にとって北上次郎氏の推薦は絶大である。ほとんど天の声と言って良い。もう30年以上前のことになるのだが、椎名誠氏が小説『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵 』において描いた北上次郎氏の衝撃の生態を読んで以来、私は敬愛の念を持って北上氏を見つめているのだ。物語は「本を読んでいないと、禁断症状が出てしまうほどの活字中毒である本の雑誌発行人、めぐろ・こおじ(北上次郎氏のこと)を罠にはめて、味噌蔵に閉じ込めてしまう」というもの。活字中毒者を一切活字に触れることの無い環境に閉じ込めてしまうと言う椎名氏のサディスティックな茶目っ気に私は甚く恐れおののいたものである。
さて本書である。児童文学とはいえ、還暦近い私にも十分読み応えがあった。いや、むしろ物語を読み進めるにしたがいエンドーくんの正体が明らかになっていく中で、私はどんどん物語に感情移入していった。この物語は老年に入ろうとしている世代の者へのエールともいえるお仕事小説である。存分に楽しませていただきました。