佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説 EPISODE-1

岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説 EPISODE-1』を見ました。

 Wikipediaからシリーズの紹介文を引きます。

監督 - 宮坂武志
主演 - 竹内力
出演 - 田口トモロヲ


岸和田最強の男村山カオルの高校生時代の物語(ほとんど高校には通っていない)
番外編のシリーズ。人情にもろいカオル(竹内力)のドタバタを軸に、宮坂監督ならではの名作映画パロディが織り込まれている。
当初は3部作として企画され、2001年に『EPISODE-1』『EPISODE-2 ロシアより愛をこめて』『EPISODE-FINAL』が制作されたが、予想を上回る好評で、2005年までに『番長足球(サッカー)』『妖怪地獄』『マレーの虎』の3本が続編として制作された。さらに2007年にも続編2本(『女番哀歌(スケバン・エレジィ)』、『中華街のロミオとジュリエット』)が制作され、2008年1月現在、全8作となっている。監督はシリーズ全作品を通して、宮坂武志が手がけている。現在ではCS放送をはじめとして一番再放送の機会が多い人気シリーズである。

 

 

 まさしく最強です。主演竹内力と聞いて「ケッ! Vシネマかよ」などと侮ってはいけません。抱腹絶倒。「純情」「無垢」「真心」とおよそ愚連隊のイメージとはかけ離れたものがこの映画の中にちりばめられ、圧倒的な力を持って私に迫ってきました。適当に楽しもうなどと油断していた私は、スパンと脳天を打たれ一本取られてしまった感があります。

 これはおそらく原作を書かれた中場利一氏と中場氏によって作られた小説世界とそのキャラクターによるものに違いないと確信。本の雑誌社から発刊された小説シリーズを古本で買い集めました。楽しみを引き延ばしながら少しずつ読んでいこうと思う。

 竹内力の振り切った演技も見物だが、カオルの担任の京子先生役である野村真美さんがイイ感じである。

 

 

旬の寒鯖とイイダコ

本日の厨房男子。

鯖とイイダコを調理しました。

この時期の寒鯖のうまさは抜群です。

三枚おろしの片身は酢じめにして、もう一方を味噌煮にしました。

イイダコは酒と醤油でさっと煮付けました。

酒の肴にこれ以上のものはありません。

酒は「百黙」。酒器は「左藤吹きガラス工房」のロートグラス。

『わが心のジェニファー』(浅田次郎・著/小学館文庫)

 

『わが心のジェニファー』(浅田次郎・著/小学館文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

浅田次郎が描く米国人青年ニッポン発見の旅

日本びいきの恋人、ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本へのひとり旅を命じられたアメリカ人青年のラリー。ニューヨーク育ちの彼は、米海軍大将の祖父に厳しく育てられた。太平洋戦争を闘った祖父の口癖は「日本人は油断のならない奴ら」。
日本に着いたとたん、成田空港で温水洗浄便座の洗礼を受け、初めて泊まったカプセルホテルに困惑する。……。慣れない日本で、独特の行動様式に戸惑いながら旅を続けるラリー。様々な出会いと別れのドラマに遭遇し、成長していく。東京、京都、大阪、九州、そして北海道と旅を続ける中、自分の秘密を知ることとなる……。
圧倒的な読み応えと爆笑と感動。浅田次郎文学の新たな金字塔。

 

わが心のジェニファー (小学館文庫)

わが心のジェニファー (小学館文庫)

 

 

 ニューヨーク育ちのアメリカ人青年ラリーが日本を旅して、日本の文化に驚いたり感動したりする姿をユーモアを交えて描いている。日本のことをよく知っているはずの我々が、案外その良さを意識しておらず、外国人の目を通してみて改めて再認識するという構図がおもしろい。まさに日本再発見。小説の出来としては上々と言いがたいが、著者の慧眼に舌を巻く。

奥の松 純米吟醸生原酒 しぼりたて

本日の一献は福島は二本松の名門「奥の松」蔵元の「純米吟醸生原酒 しぼりたて」。

口に含んだ瞬間に口から鼻腔に抜ける甘くフルーティーな香りが鮮烈。優しい甘みを感じる酒。

【原料米】秋田県産《あきたこまち
精米歩合】麹米58%、掛米58%
酵母】自社酵母
【アルコール分】16.5
【日本酒度】-1
【酸度】1.6
アミノ酸度】1.0

酒ピッチャーは「左藤吹きガラス工房」のもの。左藤玲朗氏のガラスはどこか懐かしくて使っていて飽きが来ません。猪口は「からすうり陶房」三木理恵さん作のそば猪口。そば猪口といっても小ぶりで、おそらく緑茶につかっても良いかなと思って作られたのでしょうが私は酒飲み用に使わせていただいております。鳥の足のような文様が気に入っています。三ノ宮本通りにある「YUIリビングス」で買い求めました。

肴は茎ワカメの佃煮と鰯フライ。この時期の茎ワカメと鰯は毎年の楽しみです。

 

 

『獅子吼』(浅田次郎・著/文春文庫)

『獅子吼』(浅田次郎・著/文春文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

「けっして瞋るな。瞋れば命を失う」父の訓えを守り、檻の中で運命を受け入れて暮らす彼が、太平洋戦争下の過酷に苦しむ人間たちを前に掟を破る時―それぞれの哀切と尊厳が胸に迫る表題作ほか、昭和四十年の日帰りスキー旅行を描く「帰り道」、学徒将校が満洲で奇妙な軍人に出会う「流離人」など華と涙の王道六編。

 

獅子吼 (文春文庫)

獅子吼 (文春文庫)

 

 

 泣かせ屋浅田の短編集とあって、大いに期待して読んだが、泣けるものあり、それほどでもないものもある。

「獅子吼」「流離人(さすりびと)」の2篇は反戦もの。こういうものはいかにも新聞が褒めそうでいやだなあ。とはいえ、「獅子吼」は浅田氏らしさが出た良作。

「うきよご」は東大紛争のあった昭和44年に無受験浪人した学生の話。私生児として生まれ、複雑な家庭に生まれた主人公が混沌とした時代にあって、異母姉との姉弟愛とも、男女愛とも判然としない複雑な思いを持ちながらある境地に至るという話。こういうややこしい小説は文学好きが褒めそうな話である。私としてはもっとシンプルに情に訴えるものが浅田氏らしいと思うのだが・・・。

「帰り道」におやっと思うような味わい深さがあって良かった。

『これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 4』(青木祐子・著/集英社オレンジ文庫)

『これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 4』(青木祐子・著/集英社オレンジ文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

経理部の新入社員・麻吹美華は、なんでも率直にものを言う。オブラートに包むということがない。おかげで波風立てずに会社員生活を送りたい沙名子は、気苦労が絶えない。私生活では太陽とつきあいはじめたものの、初めての恋愛にペースを乱され戸惑い気味。そんなときも、面倒事は遠慮などしてくれない。沙名子はよく知る社員同士の不倫現場を目撃してしまい…?

 

 

 シリーズ化されるものは巻を重ねるごとに登場人物が自由に動くようになる。いや、私が書いているわけではないので、私がそういうのはおかしい。しかし読んでいてそんな感じがするのである。このシリーズも4巻を重ね、どんどん小説世界が構築されている。読者たる私はその世界にすうぅっと入り込み、登場人物の動きを玩味し面白がっていれば良いのだ。そうすることで3時間ほど別世界を遊ぶことが出来る。

 本巻はちょうどバレンタインデーにちなんだ話となっている。第三話「本命は落ちません、義理なら落ちます」、第四話「正しければ勝つわけではないのなら、正しさに何の意味がある」はなかなか含蓄のある題名だ。

 沙名子の好きな言葉は「イーブン」。釣り合って安定していること。毎日、借方・貸方を意識している女史らしい。職場は戦場ではない。人は誰でもデコボコしているものだが、差し引きゼロになればよしとする。私も心にと留めておこうと思う。

 今月20日にシリーズ第5巻が上梓される由、さっそく予約注文した。