慧眼
『致知』に渡部昇一氏の「歴史の教訓」という連載記事がある。2016年2月号にアウン・サン・スー・チー氏に関するものと高速増殖炉「もんじゅ」に関するものが書かれた。 まず、アウン・サン・スー・チー氏に関する記事では、ビルマのイギリス植民地支配の狡…
長い間私は、もし人が本当に生きる目的を持つならば、その目的のために命を捧げることになるのだ、と納得していた。世間の平和主義者と呼ばれる人たちは、それを、時には国家による強制された死とごっちゃにする。しかしそうではない。彼らは、完全な自由意…
ごみの理屈など聞かん。昔は町じゅうがゴミだらけだったから、拾うやつもいなかった。今はみんなが振り返ってくれる。社会問題にもする。おかげでとうとうゴミが口を利くようになった。拾ってくれ、片づけてくれってな。情けない話だ。 浅田次郎・著『プリズ…
それじゃまるでヒャクショーが悪者みたいじゃないか。 彼らは千年も二千年も、誇り高くそう名乗ってきたんだ。それをたかだかこの十年や二十年の都会人の良識とやらで、なぜ勝手に換えられる。 差別という言葉にまさる差別はないんだぞ。 浅田次郎・著『プリ…
本物のクライマーはいつか必ず山で死ぬことになっている。しかたのないことさ。 ・・・・・・・ クライマーは困難を目ざすんだ。齢とともに体力は衰える。だが、それに応じたレベルに下りることなどできはしない。もちろん山をやめるわけにもいかない。だか…
死んでもいいというのと、死にたいというのは大ちがいだ。最高の男と最低の男のちがいだぞ。一緒くたにするな。 浅田次郎・著『プリズンホテル 3 冬』P120より
国民の素朴な感情に迎合しないことが真の政治ではないのか。そもそも普通使われる意味での国民とは現在この国に住む人々にすぎない。国家とはこれまでのすべての国民、これからのすべての国民のものである。従って政治家の頭には国民ばかりでなく国家もなく…
オバマ大統領は人類に夢を与え続ける人である。 藤原正彦・著『大いなる暗愚』P29より オバマ大統領を賞賛した言葉ではない。「夢を与える」ではなく「夢を与え続ける」というところに辛辣な皮肉が込められていると見る。つまり「夢ばかりを与え続ける」ので…
(アメリカは)シカゴを中心とした一学派のイデオロギーにすぎない市場原理主義を、あたかも普遍的真理の如く吹聴し、自由競争という名の疫病を世界にばらまいた。 藤原正彦・著『大いなる暗愚』P22より 管見妄語 大いなる暗愚 (新潮文庫) 作者: 藤原正彦 出…
ドイツや日本に限らず中米英露など列強だって、口にできぬほどの残酷非道を過去に山ほどなしている。皆、口を拭ってすましている。それどころか、なぜか前大戦だけに絞り、そしてドイツと日本の残虐だけに絞り、戦後六十五年がたった今も折にふれ俎上にのせ…
ただ勘違いしちやいけないのは、アメリカ議会でのロビー活動から「蜜の罠」に至るまで、中国共産党のプロパガンダにおけるハイローミックスは徹底してますから。 甘くみちやいけません。 多少の齟齬があったって、最後は物量で押し切るのが宣伝の本質ですか…
だつてオスプレイの配備を拒否するなんて、ハナからできやしないんだから。 米軍に出てって貰って、その代わりに憲法も変えて、まじめに武装する気があるなら別だけど。あれもイヤ、これもイヤだけど、安全に、安価に、快適に暮らしたい。そういうわけにはい…