ヨウスイさんが「読んでみて」と勧めてくださった本「被差別の食卓」を読んだ。内容をamazonから引用すると次のとおり。
内容(「BOOK」データベースより)
大阪のある被差別部落では、そこでしか食べられない料理がある。あぶらかす、さいぼし…。一般地区の人々が見向きもしない余り物を食べやすいように工夫した独自の食文化である。その“むら”で生まれ育った著者は、やがて世界各地にある被差別の民が作り上げた食を味わうための旅に出た。フライドチキン、フェジョアーダ、ハリネズミ料理―。単に「おいしい」だけではすまされない“魂の料理”がそこにあった。
- 作者:上原 善広
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/06/16
- メディア: 新書
興味深い。
本書において、著者は世界各地の差別を取り上げ、その被差別民特有の食べ物(=ソウル・フード)をレポートしている。
差別の中から生まれてきた食べ物、ソウル・フードにはその食べ物が生まれた必然があり、その”むら”で積み重ねられた歴史がある。その歴史の積み重ねが文化である。差別の不条理をここで語るつもりはない。しかし、どのような民族の歴史も、どのような”むら”の文化も尊重されなければならない。歴史は、あるいは文化は、その積み重ねによって昇華される。高々100年しか生きられない個々人の侮蔑など小人の戯言である。