読後満足感は今年、一、二を争う。
とにかく、次の展開が気になって本をはなせなかった。仕事を終えるのを待ち遠しく待って、続きをむさぼり読んだ。雫井氏の著書は初めて読んだが、すごい書き手が現れたものだ。警察小説では高村薫が好きだが、これはそれを超える。さすがに映画化されただけのことはある。
文庫本上巻の裏表紙にある紹介文を引用する。
闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった―史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。
年末にこういった作家に出会うと困るのである。本ばかり読んでしまって大掃除が手につかなくなるのである。散らかった部屋のまま新年を迎えることになる。昨年は藤沢周平、一昨年は浅田次郎であった。困ったことである。もう雫井氏の本を何冊か買ってしまった。
- 栄光一途 (幻冬舎文庫) ※著者のデビュー作らしい
- 虚貌 ( 〃 )
- 火の粉 ( 〃 )
そうそう、クローズド・ノートも読まねばなるまい。今年の年末年始も睡眠不足だな・・・・