佐々陽太朗の日記

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「事故係 生稲昇太の多感」(講談社文庫/首藤瓜於 著)を読了

事故係 生稲昇太の多感 (講談社文庫)

事故係 生稲昇太の多感 (講談社文庫)

 ジュンク堂書店員が選ぶ・おすすめ!!講談社文庫50にあったので、知らない作家だったが買ってみた。ちょっと変わった警察ものだ。わたしがこれまで読んだ警察小説とは違ったタイプの小説。なかなか良い。

 紹介文を引用する

22歳の昇太は、正義感たっぷりで直情型の愛宕南署交通課巡査。南署のマドンナ・大西碧とつきあうクールな先輩・見目とコンビを組んで交通事故の解決を目指す。だが、社会や組織の壁にぶち当たり、うまくいかないことばかりで…。これこそ警察小説の新境地!『脳男』で乱歩賞を獲得した著者の受賞後第一作。

 私がこれまでに読んだ警察小説で印象に残っているのは、

 といったところ。
 主人公はみんな渋い。カッコイイ男なのだ。しかしこの小説の主人公・生稲昇太は違う。何とも云えず親しみがあり応援したくなるキャラクターだ。親しみがあるキャラといえば、R.D・ウィングフィールドフロスト警部がいるが、こちらはさえないキャラに隠れた明晰な頭脳が売りだ。
 また、この小説には凶悪犯が登場しないし、大事件もない。何せ主人公は刑事ではなく交通課の巡査なのだから。
 ごく普通の警察官・生稲昇太巡査が警察という組織の中で悩み、成長していく姿を描いた青春もの。なんとも爽やかでよい。新しい警察小説の誕生である。
 主人公の淡い恋も描かれているものの、この恋の結末については書かれていない。気になるところである。是非、続編を書いて欲しいものである。

事故係 生稲昇太の多感 (講談社文庫)

事故係 生稲昇太の多感 (講談社文庫)

♪♪本日の一曲♪♪
主人公・生稲昇太が思いを寄せるマドンナ・大西碧からの連想ということで
それにしても、好きな女の子とバスで隣り合わせになったときに、その人を視ることが出来なくて、ほとんど会話することも出来ず、ひたすら前ばかり見ていたことがあったな・・・。高校一年生のころだった。主人公・昇太の気持ちがよくわかる。
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