佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

「ザ・ジョーカー」(講談社文庫 / 大沢在昌 著)を読了

「ジョーカー」と呼ばれる男。
作中では森尾と名乗っているが本名はわからない。
クールだ。

ザ・ジョーカー (講談社文庫)

ザ・ジョーカー (講談社文庫)

紹介文を引用する。

「殺しは仕事にしたことがない。殺しをしなかったとはいわないが」。あらゆるトラブルを請け負う男、ジョーカー。着手金は百万円、唯一の連絡場所は六本木のバー。噂を聞いた男と女が今宵も厄介事を持ち込んでくる。ジョーカーを動かすのはプライドだけ―。待望のハードボイルド新シリーズ第一弾の連作短編。

主人公のジョーカーこと森尾は独身、年齢は40代。シブイ大人だ。ジョーカーの名は先代から引き継いだもので、森尾は2代目。若い頃、先代の娘・明穂と恋に落ちたが、先代は娘とジョーカーとの関係を許さなかった。別れるかジョーカーの名を捨てるかだと迫った。森尾はジョーカーであり続けることを取った。以来、心を許した女はいない。本書の最後にジョーカーと明穂の再会がある。再会した二人の運命は・・・・
結末はあまりにも悲しい。

紹介文には、新シリーズ第一弾と書いてあるが、本書巻頭を飾る「ジョーカーの当惑」が発表されたのが1993年1月、最後を飾る「ジョーカーの伝説」が2002年2月と言うから、本書に収められた6篇は実に9年間をかけて書かれている。大沢さんもっと早く書いてよ。続編期待してます。
お願いついでにもう一つ。木須志郎"キッスのシロー"もシリーズ化して下さい。
待ってまーす。

♪本日の一曲♪

 Jimi Hendrix- "Little Wing" @ Winterland (Live Version)

 ジョーカーとの連絡所、六本木の裏通りにひっそりとあるバー。
 店の中にはバーテンダーの沢井とジョーカー、他には煙草の煙だけ。
 そこにはこんな曲がふさわしい。