佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

「男女共同参画社会をつくる」[大沢真理(著) / NHKブックス]を読了

 久しぶりに小説以外の本を通読した。
といっても、多少仕事上の必要があってのことなのだが。

男女共同参画社会をつくる (NHKブックス)

男女共同参画社会をつくる (NHKブックス)

 先入観として「ヒステリックでガチガチの女性解放思想を読まされるのでは?」と覚悟して読み始めたのだが、決してそのようなことはなく、啓発されるところが多かった。良書である。
 本書で著者は次のように提唱する。
 日本社会が現在直面するデフレと少子高齢化のスパイラルから脱却するためには男性も女性もともに仕事と家庭、地域活動を両立できるような環境を構築し、社会を活性化することが必要である。税制、社会保障、雇用制度などの社会制作システムを、「男性稼ぎ主型」から「両立支援型」に改革すべきである。雇用不安と賃金低迷のなか、男性も結婚して「妻子を養う」見通しは立たない。一方、女性は子育て以前に「妻」になることに負担感を持つ。男女共同参画でないために結婚の”敷居”が高いのだ。女性がより職場進出し、男性が家庭や地域での存在感を増す男女共同参画型の夫婦なら、家計構造もリスク分散型となる。
 激しい競争と将来に対する不安の中で「自分の双肩に家族の生活がかかっている」とけなげにもがんばり通し、最悪の場合、自殺にいたるまで精神的に追い込まれている中高年オジサンに対し、著者はこうも言う。「男性に”甲斐性”が無くなったのではない。専業主婦を養える経済的条件が縮小したのだ。肩の荷を分かち合おう」と。
 家計に対する責任を一人で背負い、娘には「臭い」と言われ、リストラのプレッシャーに胃がきりきり痛むオジサンには福音である。(笑)


♪本日の一曲♪

Blondie - Maria

Ave Maria 雨にもマケズ、風にもマケズ、オジサンは行く・・・・・・

たとえ家族からねぎらいの言葉など無くとも、胃に穴が空こうとも。

全ての中高年オジサンに神のご加護を・・・・・・

全ての中高年オジサンに幸あれ。