ウェルズの日記

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「人間はどこまで動物か」(日郄敏隆:著/新潮文庫)を読む

「人間はどこまで動物か」(日郄敏隆:著/新潮文庫)を読んだ。

人間はどこまで動物か (新潮文庫)

人間はどこまで動物か (新潮文庫)

先日、同氏の「チョウはなぜ飛ぶか」を読んだ勢いで読んだ2冊目である。
昆虫や動物の生態も興味深いのだが、それを通じて著者が世の中を見る視点になるほどと思わせるものがある。

内容(「BOOK」データベースより)
ホタルが光り、蝉が鳴き、蚊柱が立つのはなぜ?―すべて、より効率的に配偶者と出会おうとする、彼らの合理的で賢い戦略なのです。生き物は皆、生き延びて子孫を残すというのが人生の大目標。動物行動学の第一人者が、一見不思議に見える自然界の営みを、ユーモアたっぷりに解き明かします。私たち人間も、しっかり自然を見据えれば、本当の生き方が見えてくるかもしれません。

「人間はどこまで動物か」という命題は哲学的である。高校生の頃読んだSF小説アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と同じぐらい哲学的な命題である。「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」では人間とは何か?人間と人工知能の違いは何か?を問いかけた小説だったように記憶している。

「人間はどこまで動物か」という問いかけに対して、日障沁≠ェどのような考えを持つかは本書を読んで判断していただくほか無いが、私が思うに著者は「人間は所詮ヒトであって、それ以上でもそれ以下でもないヨ」と云っているように思う。

難しいことはさておき、本書のおもしろさはやはり、動物や植物、昆虫の珍しい生態が紹介され、それについて著者が独特の視点で語っているところである。

例えば本書中の「鳥たちの生活」では、ある植物がやたらと鳥に果実を食われないように、鳥が食べたら気分が悪くなるような毒物をつくり、それを果実に含ませている。しかし、その果実を食べる鳥(インコ)がいる。そのインコはどうしているかといえば、解毒剤を使っている。海沿いのある崖の土(この土には果実の毒を解毒する物質が含まれている)をくちばしで削り取って食べているのである。びっくりである。どのようにしてインコはその土に解毒作用があることを知ったのか? 自然は知れば知るほど謎につつまれている。

本書を読んで笑えるのは、著者がギリシアの哲学者アリストテレスの言葉を2回も引用しているところである。すなわち「セミの夫たちは幸せである。なぜなら彼らの妻たちはしゃべらないからだ」である。セミはうるさく鳴くが、鳴くのはは雄だけである。日郄氏も恐妻家なのだろうか?
「日郄氏も」と云うのは誰と同じくと云わんとしているかは言わずもがなである。(笑)


♪本日の一曲♪

Lisa Loeb - Stay