佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『私が愛したリボルバー(ONE FOR THE MONEY)』(ジャネット・イヴァノヴィッチ:著・細美遙子:訳/扶桑社ミステリー)を読む

『私が愛したリボルバー(ONE FOR THE MONEY)』(ジャネット・イヴァノヴィッチ:著・細美遙子:訳/扶桑社ミステリー)を読み終えた。

私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー)

私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー)

内容(「BOOK」データベースより)

ステファニー・プラムは30歳でバツイチ、ただ今独身。下着専門店でバイヤーとして働いていたが、会社が身売りに出されたため、やむなく失業の身に。背に腹はかえられないとばかりに飛びついた仕事はなんとバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)。保釈中の身でありながら裁判にも出頭せずに失踪した逃亡者を捕まえて警察に引き渡すというものだ。生まれて初めて手にしたスミス&ウェッソンを携えて、彼女は颯爽と犯罪者たちに対峙していく。CWA(英国推理作家協会)賞最優秀処女長篇賞に輝いた傑作クライム・ノベル。


書き出しを引用する。

一人の女性の人生にはいりこんできて、絶えずそれをねじまげてしまうたぐいの男がいる。あたしにとっては、ジョーゼフ・モレリがそれだった−−絶えずというわけではないが、断続的に介入してきていた。

この書き出しを読むだけで主人公(ステファニー・プラム)が賞金稼ぎでありながらクールな女でないことがわかる。
情が深く、実に愛すべき女性なのだ。
ステファニーがまだ6歳だった頃、彼女は母親からモレリ(当時8歳)に近づくなと言われる。二週間後ステファニーはモレリの家のガレージにいた。そう、彼女は人の忠告を聞かない。「するな!」といわれたことをついつい好奇心に勝てずやってしまう。反骨心があるのだ。

本書はバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)、ステファニー・プラム・シリーズ第一作である。女性を主人公にしたクライム・ノベルはいくつかある。コーデリア・グレイ(作者:P.D.ジェイムズ)、V・I・ウォーショースキー(作者:サラ・パレツキー)、サニー・ランドル(作者:ロバート・B・パーカー)etc. どれも魅力的な女性ばかりだ。気性の激しさ、直情傾向なところ、独立心の旺盛なところはV・I・ウォーショースキーに似たタイプといえる。しかし、ステファニー・プラムにはもっと熱い情がある。モレリに言わせるとステファニーは「おまえはマシュマロだよ。やわらかくて甘くて、熱せられてかっとなると中身がとろけておいしくなる」ということになる。まさに"cupcake"=「かわいこちゃん」だ。

このシリーズは笑えます。そして主人公ステファニー・プラムはなんとも魅力的な女性です。絶対に楽しめるオススメ本です。


♪本日の一曲♪

Lisa Loeb - Stay (I Missed You) LIVE

私にとっての "cupcake" Lisa が歌う素敵な曲です。