背信 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 1-47 スペンサー・シリーズ)
- 作者: ロバート・B・パーカー,菊池光
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/06/25
- メディア: 文庫
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ロバート B.パーカーお馴染みのスペンサー・シリーズ第31弾『背信』を読み終えた。
今回の事件はこうだ。
依頼人の女マーリーンはもったいぶった態度で、夫の浮気調査を依頼した。彼女の夫トレントンは巨大企業の財務責任者だという。その夫が射殺されたことから、スペンサーは会社がひた隠す暗部へと踏みこむことに…。
今回は珍しく巨大企業が事件の舞台になっている。舞台が変わってもシリーズに掛けるファンの期待を裏切らない。書き出しの依頼人の女との会話を読んだだけで、今回も楽しませてくれると確信した。
女 「あなた離婚関係の仕事は?」
スペンサー 「やる」
女 「腕はいいの?」
スペンサー 「いい」
女 「私は可能性には関心がない。推測も。法廷で通用する証拠が必要なの」
スペンサー 「それはおれと関係のないことだ。そのほうは証拠次第だ」
女 「証拠をでっち上げるようなことはしない、と言ってるのね」
スペンサー 「そうだ」
女 「その必要はないわ。あの野郎は、丸一日ペニスをズボンに納めておくことが出来ないのよ」
スペンサー 「外で食事をするのが多少不自由になるにちがいない」
導入部のこの会話を読むだけでニンマリ、いつものスペンサーは健在だ。
例によってホーク、ヴィニィ、クワーク、ヒーリィとスペンサーを取り巻く男たちがカッコイイ。お互いが相手を男と認め、絶対の信頼をおいている。私はそこに憧れる。ハードボイルド小説が好きな理由でもある。
♪本日の一曲♪
Springsteen - Jungleland