佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『だから、あなたの部下は育たない!』(国吉拡:著/PHP文庫)を読む

だから、あなたの部下は育たない! (PHP文庫)

だから、あなたの部下は育たない! (PHP文庫)


久しぶりに小説以外の本を読んだ。しかも、How toもの。
尊敬する方から勧められた本である。私がその方を尊敬するのは、その方の「逃げない姿勢」にあります。
昔、といってもせいぜい十年ほど前のことですが、その方が上司、私が部下という関係で一緒に仕事をしたことがあります。結構、課題が山積していた時で、いろんなことを変えていった時期でした。私も体力、気力ともに充実していた頃で、少々のことにはめげずに挑戦していました。しかし、物事を変えるには困難が伴います。八方手を尽くし、辛抱強く折衝を積み重ねても抵抗が激しく挫折しかけたとき、さすがに私も弱気になりました。正直にその方に「難しいかも知れません」と報告すると、「俺が話をしてみる。一緒に来い」と言ってさっさと歩いていきます。自分なりにできる限りの手を尽くしたうえでの報告でしたので、その上司が出て行ってくれたからといって状況が一変するはずはありません。その時も物別れに終わりました。しかし、私の折れかけていた心にはもう一度シャキッと筋が通りました。火がつきました。おそらく、その方は私の報告を聴いて、一筋縄ではいかないことを察知されたはずです。自分が出ていっても状況に変化がなければ対面に傷がつくことも頭にあったはずです。それでもすぐにそうなさったのは、それほどこの案件を通さなければならないと言うことをもう一度私に教えたかったのか。あるいは、単に自分が手を尽くさないうちにあきらめると言うことが嫌だったのか、それはわかりません。しかし、私は「あきらめかけていた自分」を恥じました。
24P『失敗の原因はいつも自分にある』、26P『「つもり」「くれない」「でも」を連発するな』など、私には耳の痛い話が書いてあります。本書には経営コンサルトとしてトップを歩んできた著者の87のアドバイスが詰め込まれています。一日一題ずつ読んでいっても良いでしょう。時々、この本を手に取り、パラパラっとページを捲ってみて、たまたま開いたところを読んでみる、そんな使い方も良いだろう。