本日の一献は「惣花」(そうはな)です。知人がわけてくれたのですが、「中汲み」だと強調していました。皇室御用達のお酒。ご成婚などお祝いの席に用いられるそうです。といっても決して高い酒ではありません。他の純米吟醸と変わらない値段です。
原材料 米・米こうじ
精米歩合 55%
酵母 惣花酵母
アルコール分 15度以上16度未満
日本酒度 マイナス4.0
酸度 1.6
アミノ酸度 1.4
飲んでみた感想は「これが純米吟醸?」です。まず、香りがかなり控えめであること。これは酵母の特性か。味は最初は辛く感じた。しかし、飲んでいるうちに味が甘く変わってきた。じっくり味わってみると、甘み、辛み、苦味、渋みと複雑な味わいであることが判る。あっ、酸味もきました。けっこう濃醇な味です。あと口はキレてます。
地酒の純米吟醸を、それも生を飲みつけているので、最初の一口は正直なところ、皇室御用達といってもこんなものかと思いました。吟醸酒の華やかな香りと味が無く、個性を感じなかったからです。しかし、二杯目、三杯目とゆっくりと飲んでいくうち、酒の温度も常温になっていくにつれ、複雑な味が好ましく思えてくる。たとえてみれば、若かった頃のはっとするような美貌は無いものの、未だに美貌は衰えず、人生を重ねるにつれ深い魅力が出てきた35歳の大女優といったところ。大手の造る純米吟醸とはこうしたものか。会社は日本盛、灘の酒です。
あては、鬢長マグロの腹身をソテーし新玉葱の上にのせ、ピーマンと針生姜で風味をつけた甘酢をかけたもの。ポテトサラダ。薄揚げに刻み新玉葱をいれオーブントースターで軽く焼いたもの、醤油をかけていただきます。この時期、新玉葱は抜群に美味しい。