ウェルズの日記

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『血まみれのマリア − きんぴか2 / 浅田次郎(著)』(光文社文庫)を読む

 懐かしげに肩をぶつけながら、男は唄うように言った。
ギムレットには早すぎる、かな」
 グラスの縁で帽子の庇を上げながら、広橋は答えた。
「早過ぎはしないが、ここはボンベイじゃない。ブリティッシュを気どってギムレットとは、雪の銀座には似合わないね」
「そうか。じゃあせめて、氷を浮かべるのはよそう。長いものには巻かれなければ、植民地で生きてはいけない」
 差し出されたギムレットに、氷は浮かんでいなかった。
 老けたな、と、カウンターごしのガラスに映った旧友の姿を見ながら、広橋は思った。
   
                                 (本書P292より)


シブイぜヒデさん。
ピスケン、カッコイイ。
軍曹、あんたほど大きい男は見たコトねえ。
なによりも"血まみれのマリア"こと"阿部まりあ"、俺ァ、アンタに惚れちまったぜ。
浅田次郎氏の悪漢小説(ピカレスク)『血まみれのマリア − きんぴか2』を読みました。

血まみれのマリア―きんぴか〈2〉 (光文社文庫)

血まみれのマリア―きんぴか〈2〉 (光文社文庫)

イイ!
これはイイ!!!
小賢しいヤツらばかりがいる現代に対するアンチテーゼ。
かっこ悪くても、
馬鹿なヤツと笑われても、
損と分かっていても、
そうしなければならないことがある。
得だの損だの、愛だの恋だのそんなものは小せえ、小せえ。
場合によっちゃ命だって惜しくはない。
何よりも大切なのは「矜持」なのだから。


裏表紙の紹介文(あらすじ)を引きます。

ピスケンが恋をした。お相手は、「血まみれのマリア」こと阿部まりあ。泣く子も黙る救急救命センターの看護婦長で、今まさに息絶えんとする重体患者を救うこと数知れず、の奇跡を呼ぶ女だ。あまりに意外な組み合わせに、驚きのあまり絶句する軍曹とヒデさん。一途で不器用なピスケンは、マリアのもとに通いつめるが…。悪漢小説の金字塔、佳境の第2幕。