ウェルズの日記

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家族の言い訳

「よく夫婦を戦友に例える人がいるでしょう。僕はちょっと違う意見なんだな。妻は一緒に戦ってくれなくてもいいんです、戦いは僕がしますから。だからその代わりにせめて味方でいてほしいんですよ」
「味方ですか?」
「はい、それも絶対的な味方です」
心なしか、武井の声が熱を帯びたように聞こえた。
                                             (本書80Pより)

家族の言い訳 (双葉文庫)

家族の言い訳 (双葉文庫)

 『家族の言い訳』(森浩美:著/双葉文庫)を読み終えました。森氏は田原俊彦さんの「抱きしめてTONIGHT」、森川由加里さんの「SHOW ME」、SMAPの「青いイナズマ」など数々のヒット曲の作詞家らしい。作詞家さんの手になる家族をめぐる泣ける話八編を収めた短編集です。読んだ感想ですが、作詞家さんの小説です。例えば泣ける短編小説の書き手として第一人者の作家、浅田次郎氏と比べると、その差を感じざるを得ません。わたしの目には小説作家としての力量に明らかな差があると見えます。
 とはいえ、読んでいて何度も目頭を熱くしました。そうです、私は涙もろい男です。

裏表紙の紹介文を引きます。

家族に悩まされ、家族に助けられている。誰の人生だってたくさんの痛み、苦しみ、そして喜びに溢れている―。作詞家・森浩美がその筆才を小説に振るい、リアルな設定の上に「大人の純粋さ」を浮かび上がらせた。『ホタルの熱』『おかあちゃんの口紅』はラジオドラマや入試問題にもなった出色の感動作。あなたの中の「いい人」にきっと出会える、まっすぐな人生小説をお届けします。