ウェルズの日記

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四畳半神話体系

成就した恋ほど語るに値しないものはない

小説『四畳半神話体系』を読み終えました。『太陽の塔』につづく森見登美彦氏の2作目の長編小説である。

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)



裏表紙の紹介文を引きます。

私は冴えない大学三回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとはなかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの一回生に戻って大学生活をやり直したい! さ迷い込んだ四つの平行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

ここにひとりの男がいる。頭脳は明晰なれど、現実世界を生き抜くにはいささか実戦不足。つまりは大学生というモラトリアム状態にある。他にとりたてて特徴なく、容姿も十人並みである。そんな彼の最大関心事は学問でもなく芸術でもなく女である。しかし彼の有り余る知性はそれをあっさり認めてしまうにはあまりに複雑である。それ故、廻りの男どもの軽佻浮薄ぶりを苦々しく思い、己をして恋路に走らせることを許さない。彼は屈折した自意識過剰という名のストイシズムの権化である。そんな彼にも運命の乙女が現れる。そう人の道を外さず真摯に生きていれば、どんな男にも運命の女(ひと)は現れる。いかにして彼は運命の女(ひと)に巡り逢えたのか。それをここで語るわけにはいかない。「成就した恋ほど語るに値しないものはない」けだし名言である。