佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

酒食生活

ハヤシライスというのは、どんなにうまくても嘘くさい味がする。贋物である。カレーライスはまずくても ”一個の人格” みたいなものをもっているのに。

                                          (本書P62より抜粋)

 

 

 

『酒食生活』(山口瞳・著/グルメ文庫)を読みました。

まずは、裏表紙の紹介文を引きます。


 

 “鴨なんばんか、葱鮪鍋か湯豆腐か…今夜も一杯、おいしい肴で”―「大日本酒乱党宣言」「幻のマルチニ」「宴会三題噺」「食通」「ハヤシライス」…などの酒と食にまつわる話から、並木の薮、京都の山ふく、金沢のつる幸などの行きつけの店のこと、「酒の飲み方」「酒場についての知恵」などの礼儀作法についてまで、酒と食をこよなく愛した文士による、とっておきの旨い話、満載。


 

 

 山口瞳氏の酒にまつわるエッセイである。山口氏行きつけの店や旨いものの話は酒飲みにはたまらない。まさに垂涎もの。横浜・八十八の鰻丼は食べてみたいが、もう無いのかな。倉敷・千里十里庵で魚料理は是非とも食べたい。金沢・つる幸はちょっと敷居が高いか? 酒を飲めることは幸せだ。山口氏の言をかりると、酒を飲めない人は人生を半分しか生きていないのである。そして酒乱でありたい。乱れぬ酒などつまらないのだ。しかし酒乱なりに礼儀作法はわきまえたい。「軽佻浮薄でありながら立派な酒飲み」でありたいと願いつつ、今日も居酒屋通いをしようと思う私である。