佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

終着駅(白川道:著/新潮文庫)

『終着駅』(白川道:著/新潮文庫)を読みました。

まずは出版者の紹介文を引きます。

男が惚れる、凄腕のアウトロー。家族と光を失いながら、けなげに生きる娘。純愛小説の最高峰!

愛など捨てたはずだった。恋人を事故で失った若き日に。私は虚無を抱え、アウトローとして闇に暮らしてきた。だが、光を失いながらも懸命に生きるかほると出会い、罅割れた心が潤ってゆく。私は、娘のような年頃の女性を、いつしか全身全霊で愛するようになっていたのだ――。男たちの熱き絆。そして不器用な男と女の命を賭けた恋。『天国への階段』を遂に超えた、渾身の長篇小説。

 

終着駅 (新潮文庫)

終着駅 (新潮文庫)

 

 

今年の4月16日に亡くなられた由、心からお悔やみ申し上げます。

その数日後、4月22日には舟戸与一氏も亡くなられました。両氏の小説はともに男っぽさを感じさせるニオイが似ている。特に白川氏はリリシズムとセンチメンタリズムとストイシズムが過剰気味。物語にひたっているうちはもうメロメロになっているのだが、夢から覚めるとちょっと恥ずかしくなるくらいのものだ。泣かせるけど泣かない、泣きたいけど泣けない、そんな小説、恥ずかしいけど好きだ。昭和のニオイを感じながら目一杯感情移入しました。うー・・・た・ま・ら・ん・・。

ちなみに私にとって白川道の最高峰は『天国への階段』であって、本書がそれを超えているとは思っていませんので念のため。

 

 

天国への階段〈上〉 (幻冬舎文庫)

天国への階段〈上〉 (幻冬舎文庫)

 
天国への階段〈下〉 (幻冬舎文庫)

天国への階段〈下〉 (幻冬舎文庫)

 
天国への階段〈中〉 (幻冬舎文庫)

天国への階段〈中〉 (幻冬舎文庫)