『レディ・キラー』(エド・マクベイン:著/ハヤカワ・ミステリ文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
小さな扇風機など何の役にも立たない。朝の刑事部屋はすでに、午後のうだるような暑さを予感させる熱気に覆われていた。あの忌しい連続警官殺し事件が解決してから(『警官嫌い』)もう一年の歳月が流れようとしていた。
”今夜8時、レディを殺す。どうにかできるかい?” 金髪の少年が持ってきた新聞の切抜きで綴られた一通の手紙を見た時、ホース刑事は誰かのいたずらだろうと思った。しかし、上司の命令は絶対だった ──レディを捜せ──その手紙を前にした刑事たちが奇異に感じたのも無理はなかった。だが、そのとき犯人は・・・・・・!
87分署シリーズ第7弾。タイムリミット・サスペンスのかたちをとっているものの、ハラハラ、ドキドキ感をあおるのではなく、むしろ警察活動を実際に近い形で地道に描こうとしている。87分署の刑事達は驚くほど明晰な頭脳を持つわけではなく、超人的な活動をするわけではない。そうしたことはシリーズを読み込んできた者にとって、むしろ好もしく、これこそが警察小説なのだと納得できる。シリーズを読むことを止められない。さて次は・・・。