佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『ちゃんちゃら』(朝井まかて・著/講談社文庫)

『ちゃんちゃら』(朝井まかて・著/講談社文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

江戸・千駄木町の庭師一家「植辰(うえたつ)」で修業中の元浮浪児「ちゃら」。酒好きだが腕も気風もいい親方の辰蔵に仕込まれて、山猫のようだったちゃらも、一人前の職人に育ちつつあった。しかし、一心に作庭に励んでいた一家に、とんでもない厄介事が降りかかる。青空の下、緑の風に吹かれるような、爽快時代小説! 

 

 

ちゃんちゃら (講談社文庫)

ちゃんちゃら (講談社文庫)

 

 

正直なところデビュー作『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』のほうが良かった気はする。とはいえ充分な読み応えがあり、私好みの時代小説でした。朝井氏の作品を通読するつもりです。作中、登場人物のご隠居に語らせた次の言葉が印象的だった。「死ぬのもええもんやと思いますわ。皆、死ぬために生きている。いつか死ねるから、生きてられる。この世におるのもあと少しやと思うたら、どんなに辛かったことも懐かしいもんになる」