ウェルズの日記

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『みぞれ』(重松清・著/角川文庫)

『みぞれ』(重松清・著/角川文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

あなたに似た人が、ここにいる―。幼なじみの少女が自殺未遂、戸惑いながら「死」と向き合う高校1年生の少年。結婚7年目、セッカチな夫に最近うんざりしてきた妻。子供がいないとつい言えなくて、一芝居うつ羽目に陥った夫婦。どちらかがリストラされる岐路に立たされた40歳の同期社員。晩年を迎えた父に、複雑な思いを抱く43歳の息子…。ひたむきな人生を、暖かなまなざしでとらえた11の物語。文庫オリジナル短編集。

 

みぞれ (角川文庫)

みぞれ (角川文庫)

 

 

 普通の人が抱える問題、普通の人の哀しみ、苦しみ、悩みを描いた11の短編。11の物語の中には自分に置き換えて胸に迫る話もあるし、そうでなくともありそうな話として登場人物の気持ちを汲み取って「わかるなー」と感情移入することも多いだろう。そして重松氏の小説の常として、読み終えた後に何かしらの救いがあるのだ。それは重松氏が登場人物に注ぐ温かいまなざし故のことだろう。おそらく重松氏は人(たとえそれが欠点の多い普通の人であっても)の心の底にある善意を信じているから、あるいは信じようと決意しているからだと思う。

「砲丸ママ」「電光セッカチ」にほのぼの、「望郷波止場」「みぞれ」に涙。