佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『なかよし小鳩組』(荻原浩・著/集英社文庫)

『なかよし小鳩組』(荻原浩・著/集英社文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

倒産寸前の零細代理店・ユニバーサル広告社に大仕事が舞いこんだ。ところが、その中身はヤクザ小鳩組のイメージアップ戦略、というとんでもない代物。担当するハメになった、アル中でバツイチのコピーライター杉山のもとには、さらに別居中の娘まで転がりこんでくる。社の未来と父親としての意地を賭けて、杉山は走りだすが―。気持ちよく笑えて泣ける、痛快ユーモア小説。

 

なかよし小鳩組 (集英社文庫)

なかよし小鳩組 (集英社文庫)

 

 

ユニバーサル広告社シリーズ・第2弾。愉快痛快ユーモア小説。ささやかではあっても仕事に矜持をもつお仕事小説でもある。かつ家族を思う切ない心を綴った家族小説でもある。「読んでよかった」荻原氏の小説を読むといつもそう思う。「世の中、すてたもんじゃない」「今日も頑張ろう」そんな風に前向きな気持ちになる。なんとなくささくれ立っていた気分がいつのまにか潤いを持ち、世の中を見る目つきが変わってくるから不思議だ。次は『母恋旅烏』を読もう。『噂』『さよならバースディー』も本棚にひかえている。しばらく荻原氏の世界を楽しもう。