佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『任侠病院』(今野敏・著/中公文庫)

『任侠病院』(今野敏・著/中公文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

日村誠司が代貸を務める阿岐本組は所帯は小さいが、世の中からはみ出た若い者を抱えて、天下に恥じない任侠道を貫いてきた。ところが最近、一部の地元民から暴力団追放の動きが起こり、めっきり肩身が狭くなった。そんな中、今回、組長が持ち込んだのは病院の再建話。日村は、個性豊かな子分たちと、潰れかけた病院の建て直しに奔走するが……。笑いあり涙ありのお馴染み「任侠」シリーズ第三弾!

 

任侠病院 (中公文庫 こ)

任侠病院 (中公文庫 こ)

 

 

はたしてこの世にいいヤクザなどというものがあるのだろうか? そのような疑問を持ったとしても、ヤクザは「悪」というのが昨今の常識であり、そこに議論の余地はないと一笑に付されてしまうのが落ちだろう。しかし、ヤクザを「悪」と信じて疑わない人に是非この任侠シリーズ『任侠書房』『任侠学園』『任侠病院』を読んでみていただきたい。そのうえで浅田次郎氏の『プリズンホテル』『天切り松 闇がたり』シリーズを読んでいただきたい。それでもヤクザを議論の余地無く100%「悪」と言い切ってしまう人はすごく立派な人です。これらの小説を読んで笑いもせず、泣きもせず、ヤクザ、泥棒のごときが何をと一笑に付す人はものすごく正しい人です。ただ私はそのような人と友達にはなりたくありません。