『電子の星 池袋ウエストゲートパークIV』 (石田衣良・著/文春文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
アングラDVDの人体損壊映像と池袋の秘密クラブの関係は?マコトはネットおたくと失踪した親友の行方を追うが…。通り魔にギャングの息子を殺されたジャズタクシー運転手に告知された悲惨な真実とは?「今」をシャープに描く、ストリートミステリー第4弾。切れ味、スピード、さらに快調。
久しぶりにIWGPシリーズに戻ってきました。やはりイイ! このシリーズの良さは池袋というある意味猥雑な街が舞台となっていることとその街の持つ危険な香りだろう。カラーギャングが登場し活躍するなどピカレスクのテイストを持つが、主人公・マコトはそんな街の中で騎士道精神をもった存在として一線を画しているといえる。一線を画しながらも、マコトは非合法な存在を否定するのではなく、そのような存在も含め、池袋という街を愛しているところがあり、そのあたりが薄っぺらな正義漢とは違う魅力を持つ。次はシリーズⅤ『反自殺クラブ』を読みます。