佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『もう年はとれない』(ダニエル・フリードマン・著/野口百合子・訳/創元推理文庫)

今年の誕生日は2015/12/09でした。去年の誕生日は・・・、いやいや、誕生日が毎年変わるわけでもないわけで・・・。

その誕生日に書店でたまたま見かけた本がこれでした。というか、書店が売ろうとしていたのはむしろ『もう過去はいらない』(同じくダニエル・フリードマン・著)だったのですが、ふとこの題名「もう年はとれない」を目にして惹かれた、というより身につまされたということなのです。

そんなこんなで『もう年はとれない』(ダニエル・フリードマン・著/野口百合子・訳/創元推理文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

 

最高に格好いい87歳、伝説の元刑事。
人生最後になるかもしれない捜査に臨む!

思いかえせば、戦友の臨終になど立ちあわなければよかったのだ。どうせ葬式でたっぷり会えるのだから。捕虜収容所でユダヤ人のわたしに“親切とはいえなかった”ナチスの将校が生きているかもしれない――そう告白されたところで、あちこちガタがきている87歳の元殺人課刑事になにができるというのだ。だがその将校が金の延べ棒を山ほど持っていたことが知られて周囲が騒がしくなり、ついにわたしも、孫に助けられながら、宿敵と黄金を追うことに……。武器は357マグナムと痛烈な皮肉。最高に格好いいヒーローを生みだした、鮮烈なデビュー作!
2013年マカヴィティ賞新人賞受賞作、『IN★POCKET』2014年文庫翻訳ミステリーベスト10/読者部門第1位。

 

もう年はとれない (創元推理文庫)

もう年はとれない (創元推理文庫)

 

 

私はこの小説を56歳の誕生日に買い求めた。「もう年はとれない」という題名がその時の心境に妙に響いたのだ。主人公はなんと87歳。私などまだまだ若造、青二才、ひよっこ、はなたれ小僧のガキンチョである。とはいえ、いよいよオジンの仲間入りした私にとって「老人の、老人による、老人のためのエンターテインメント」はなんとも魅力的に見えた。読んでみた率直な感想はまずまずといったところ。確かに面白いのではあるがイマイチ主人公に感情移入できないし復讐ものとしての魅力に欠ける。そもそも私は日頃イスラエルの所行を腹立たしく思っているのでユダヤ人にシンパシーを感じにくいのだ。続編の『もう過去はいらない』の評価も高いようだが、いまのところ読もうとは思っていない。