佐々陽太朗の日記

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『プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する 〈続・英国パラソル奇譚〉』(ゲイル・ギャリガー:著/川野靖子:訳/早川文庫)

『プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する 〈続・英国パラソル奇譚〉』(ゲイル・ギャリガー:著/川野靖子:訳/早川文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

吸血鬼や人狼らと人類が共存する19世紀の英国。悪名高き〈魂なき者〉アレクシアを母に持つレディ・プルーデンスは、養父の吸血鬼アケルダマ卿からインドでの紅茶調査任務を依頼される。素敵な飛行船に乗り込んで向かった先で、彼女とお仲間たちは、当然のように未知の異界族がらみの国家を揺るがす大事件に巻きこまれてしまい……? 恋に冒険にキュートなレディが大活躍。痛快ヒストリカルスチームパンク、新章開幕!

 

 

プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する (続・英国パラソル奇譚)

プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する (続・英国パラソル奇譚)

 

ソウルレス〈魂なき者〉アレクシア女史のパラソル奇譚シリーズの続編が出版されたとなれば読まぬわけにはいくまい。大好きなスチームパンクものに心躍らせながら読みました。460Pの長編を一気読みか、と鼻息荒く読み始めたものの、前半はキャラクターの作り込みが浅く退屈気味。しかしそれも主人公プルーデンス・アレッサンドラ・マコン・アケルダマ(通称ルー)のキャラクターの輪郭がはっきりと見えてくるにつれ、その魅力で一気に押し切ってしまう。母ソウルレス〈魂なき者〉・アレクシアは奔放な魅力を持ったレディとして描かれたが、その娘ソウルスティーラー〈魂盗人〉ルーのおてんばぶりもなかなか魅力的である。どんなレディに育っていくのか、次作が待ち遠しい。