佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

四金会 龍村光峯の工房見学と大徳寺

2016/03/25 

月いち読書の会「四金会」の旅行です。

行き先は京都。

まずは龍村光峯の工房見学。

続いて大徳寺

敷地内にある「泉仙」で精進鉄鉢料理をいただきました。

鉄鉢料理とはなにか。お店のHPから解説を引きます。

鉄鉢とは、僧が食物を受けるために用いた鉄製のまるい鉢のことをいいます。
遠くインドにはじまり、日本へは奈良時代につたわったとされ、托鉢の僧が用いたといわれています。
古くから伝わる「精進料理」では、仏の教えによって肉類魚介類を使用せずに、穀物、豆類、野菜などの食材だけを使用したお料理です。また、食材の味をいかすため、調味料の使用を抑え、また食材を余すところなく使い切ります。
泉仙の精進鉄鉢料理は、鉄鉢を形どった器に、四季おりおりの味覚を盛り込んだもので、禅のこころと、京料理の伝統を現代に生かしています。

酒は京都・佐々木酒造の純米酒「雪紫」しぼりたて。

佐々木酒造は俳優・佐々木蔵之介さんのご実家ですね。

鉄鉢料理の器は食べ終わった後、こんな風に重ねてまとまります。

器のマトリョーシカ状態。(笑)

食事の後は大徳寺境内を散策。

大徳寺は別院2ヶ寺、塔頭22ヶ寺が甍を連ねる大きな寺です。

以前、四金会で読んだ『利休にたずねよ』(山本兼一・著)に書かれたエピソードがよみがえります。

千利休、秀吉、三成ゆかりの寺を見て歩きます。ただし、ほとんどの寺は拝観禁止で墓などは見ることができませんでした。

大仙院では閑栖・尾関宗園氏の講話のあと、枯山水の庭や書院を解説していただきながら見学、最後にお菓子と抹茶をいただきました。

撮影禁止でしたので、大仙院内の写真は撮れませんでしたが、利休が秀吉に点てた茶室も見学できました。茶室の外には利休が花を活けたという枯山水に石がありました。

利休にたずねよ』(PHP文芸文庫)に書かれたその場面を引きます。252Pの記述です。

「わしは、朝顔のときから悔しゅうてならんのだ。なんとか意趣返しをしてやりたいと念じておった」

 いつだったか、利休屋敷に舶載の朝顔がたくさん咲いているというので、早朝、秀吉がわざわざ出かけたことがあった。ところが、庭には見あたらない。小座敷に入ると朝顔がただ一輪、床に飾ってあった。その一輪を印象的に見せるため、庭に咲いた花は、利休がぜんぶ摘み取ってしまったのだ。

大徳寺でも悔しい思いをした」

 ある夏の日、秀吉が大徳寺の大仙院に行ったときのことだ。書院で、花を活けるように命じると、利休は室内には活けず、外の枯山水の石に金物の花入を置いて水を打ち、花を飾った。それは実に涼しげで清々しいしつらえであった。