佐々陽太朗の日記

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『相剋の渦 勘定吟味役異聞(四)』(上田秀人・著/光文社文庫)

『相剋の渦 勘定吟味役異聞(四)』(上田秀人・著/光文社文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

徳川宗家を相続した家継(いえつぐ)の傅育(ふいく)係・間部越前守(まなべえちぜんのかみ)が襲撃された。賊は次期将軍の座を狙う手の者か? 勘定吟味役・水城聡四郎は、新井白石に忌避されている身でなすすべがない。そんな時、尾張藩を放逐(ほうちく)されたお旗持ち衆の画策や、長崎奉行減員の噂を知った。そこに、敵対していた豪商・紀伊国屋文左衛門が、聡四郎に手を組まぬかと再三にわたって言い寄って来るが……。 

 

相剋の渦 勘定吟味役異聞(四) (光文社文庫)

相剋の渦 勘定吟味役異聞(四) (光文社文庫)

 

 

勘定吟味役・水城聡四郎、いよいよ御三家紀州藩主・徳川吉宗と相見える。面白くなってきた。徳川家継徳川吉宗新井白石、間部詮房、紀伊国屋文左衛門と登場人物が歴史上有名な実在人物だけにある程度の予備知識がある。それだけに上田秀人氏が七代将軍・家継から八代将軍・吉宗への継承を本シリーズでどのように描くのかが楽しみである。本書ではやはり間部詮房が家継の生母・月光院とできていたとの説を採っている。史実はどうあれ小説的にはその方が面白いので当然のことだろう。そのあたりにはあまり興味はないが、ヒロイン紅と主人公聡四郎の微笑ましい関係がこれからどのように進展していくのかは気になるところ。