ウェルズの日記

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『ええもんひとつ ― とびきり屋見立て帖』(山本兼一・著/文春文庫)

『ええもんひとつ ― とびきり屋見立て帖』(山本兼一・著/文春文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

名代の茶道具屋の愛娘だったゆずは店の奉公人だった真之介と出奔、幕末の京都で道具屋「とびきり屋」を営んでいる。2人にわかるのは道具のことだけ。でもその「見立て」力で、龍馬や桂小五郎らと渡り合い、動乱の京を生き抜いていく。若い夫婦の成長を軸に、京商人の心意気を描いた大人気シリーズ第2弾! 

 

 

 

 とびきり屋見立て帖・シリーズ第二弾。駆け落ち夫婦の若い二人。今巻もほんのり心温まる姿を存分に見せてくれる。まだまだ完全ではないが道具屋として一生懸命商売日励む夫・真之介を妻・ゆずが全面的に信頼する姿がなんとも微笑ましい。幕末を舞台とする夫婦ものだが、ここに描かれる夫婦像は夫唱婦随ではない。妻・ゆずは夫・真之介が奉公していた大店のお嬢さんであり、もともと活発で自立した娘だ。道具に対する目利きは真之介より上である。そのゆずが夫を立て、助けようとする。つまりは惚れているのだが、なんともかわいい。