ウェルズの日記

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『赤絵そうめん ― とびきり屋見立て帖』(山本兼一・著/文春文庫)

『赤絵そうめん ― とびきり屋見立て帖』(山本兼一・著/文春文庫)を読みました。とびきり屋見立て帖・シリーズ第三弾となります。

まずは出版社の紹介文を引きます。

幕末の京都で道具屋「とびきり屋」を営む若夫婦・真之介とゆず。ある日、坂本龍馬から赤絵の鉢の商いを持ちかけられるのだが…。真之介の秘策の冴えわたる表題作、若宗匠からある大事な品を取り返すために夫婦で奮闘する「うつろ花」ほか、珠玉の6編を収録。京商人の心意気に胸躍る人気シリーズ第3弾。 

 

 

赤絵そうめん とびきり屋見立て帖 (文春文庫)
 

 

シリーズも第三弾となり、ますます味が出てきた。真之介とゆず夫婦が力を合わせて生きていく姿が清々しい。読んでいて心が洗われる気がする。そうした気になるのはやはりゆずの存在によるところが大きいだろう。育ちのよいお嬢さんらしく諸事におおらかでありながらも凜とした様をみるに付け、自然と読み手の心が前向きになっている。邪な壬生浪・芹沢鴨や嫌らしい茶道家元の若宗匠の存在でさえ、ゆずの気が颯爽とした一陣の風となり、その醜い部分をさっと吹き払う心地がする。妻をめとらばこのような人をと夢見る姿がここにある。