ウェルズの日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2016年5月の読書メーター

2016年5月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:4604ページ
ナイス数:2353ナイス

先月は上田秀人氏の「勘定吟味役異聞シリーズ」を読み切り、似鳥鶏氏の「楓ヶ丘動物園シリーズ」を読み切った。新たなシリーズものとして山本兼一氏の「とびきり屋見立て帖シリーズ」を読み始めました。それぞれ面白い。


ええもんひとつ―とびきり屋見立て帖 (文春文庫)ええもんひとつ―とびきり屋見立て帖 (文春文庫)感想
とびきり屋見立て帖・シリーズ第二弾。駆け落ち夫婦の若い二人。今巻もほんのり心温まる姿を存分に見せてくれる。まだまだ完全ではないが道具屋として一生懸命商売日励む夫・真之介を妻・ゆずが全面的に信頼する姿がなんとも微笑ましい。幕末を舞台とする夫婦ものだが、ここに描かれる夫婦像は夫唱婦随ではない。妻・ゆずは夫・真之介が奉公していた大店のお嬢さんであり、もともと活発で自立した娘だ。道具に対する目利きは真之介より上である。そのゆずが夫を立て、助けようとする。つまりは惚れているのだが、なんともかわいい。
読了日:5月31日 著者:山本兼一


魂をなくした男(下) (新潮文庫)魂をなくした男(下) (新潮文庫)感想
フリーマントルは1936年6月10日生まれというからもうすぐ80歳の誕生日を迎える。おそらくこのレッドスター三部作の完結をもってチャーリー・マフィン・シリーズは事実上の最終巻となるのだろう。名残惜しいことではあるが、本書に描かれたスパイの騙し合い、駆け引き、知恵比べの出色の出来をもってシリーズの締めくくりとするのもよいのではないか。
読了日:5月29日 著者:ブライアンフリーマントル


魂をなくした男(上) (新潮文庫)魂をなくした男(上) (新潮文庫)感想
クロスカッティングの手法で緊迫感と臨場感を持たせてはいるものの、350頁のほぼすべてが尋問と会議での討論シーン。しかも少なくともシリーズの直近二作を読んでいないと何がなにやら判らない内容。前作の内容を思い出しながら読む上巻はかなり辛抱を強いられた。しかし、翻訳済みシリーズ一四作すべてを読んでいる者のみにこそ、この巻を楽しむ権利があるという意味で、本シリーズファンにとってたまらないとも言える。下巻でどのような結末をみるのか楽しみである。
読了日:5月27日 著者:ブライアンフリーマントル


京都ぎらい (朝日新書)京都ぎらい (朝日新書)感想
 ここに書かれた京都人(限定的に洛中人をさす)評はけっして井上氏の曲解や偏見ではないだろう。おそらく本当のことだ。洛中人にあるそれ以外の京都府在住者への侮蔑は本当にいやらしい。しかし、こうした差別的感情は多くの人が持っている。高校や大学の格付けなどもその一つであろう。国公立と私立。昔は国公立の中でも一期校と二期校といった差があった。私の中にも差別的いやらしさが確かにある。洛中人をいやらしいと言うこともおこがましいことだ。★上七軒に(かみしちけん)ではなく(かみひちけん)とルビを振ったのに笑ってしまった。
読了日:5月18日 著者:井上章一


千両花嫁―とびきり屋見立て帖 (文春文庫)千両花嫁―とびきり屋見立て帖 (文春文庫)感想
老舗の茶道具屋の娘と奉公人の駆け落ち。そんな二人がお互いに協力し合って自分たちの開いた道具屋をもりたてていくほほえましい話にほっこり。高杉晋作勝海舟坂本龍馬武市半平太岡田以蔵近藤勇芹沢鴨土方歳三など歴史上実在した人物を登場させ虚実をブレンドして編み上げた物語は楽しい。どうやら著者も新撰組にはあまり良い感情を持っていらっしゃらない様子。私もまったく同感でございます。シリーズになっており『ええもんひとつ』『赤絵そうめん』『利休の茶杓』と第四弾まで発売されている様子。当然追いかけまする。
読了日:5月15日 著者:山本兼一


流転の果て―勘定吟味役異聞〈8〉 (光文社時代小説文庫)流転の果て―勘定吟味役異聞〈8〉 (光文社時代小説文庫)感想
勘定吟味役異聞シリーズ完結編です。徳川の世継ぎ争いは決着し八代将軍の座に吉宗がつく。享保の改革の始まりである。聡四郎は紅と無事結婚することができた。紅は吉宗の猶子となっていたので、聡四郎は将軍吉宗の息子ということになる。めでたしめでたしである。私事ながら、本日は我が娘の結婚式。めでたしめでたし。
読了日:5月14日 著者:上田秀人


遺恨の譜―勘定吟味役異聞〈7〉 (光文社時代小説文庫)遺恨の譜―勘定吟味役異聞〈7〉 (光文社時代小説文庫)感想
ほんとうに聡四郎と結婚を約した紅が徳川吉宗の猶子となった。吉宗に裏の策略があるのか、あるいは純粋に聡四郎に対する好意からなのかが疑問。二人がいつ、どのようなかたちで結ばれるのかが気になったが、そこはおあずけ。そりゃそうでしょう。このシリーズは剣豪小説であって恋愛小説ではないのですから。それにしても、聡四郎に向けられる刺客の多いこと。そりゃ結婚どころではないわな。
読了日:5月13日 著者:上田秀人


暁光の断  勘定吟味異聞(六) (光文社文庫)暁光の断 勘定吟味異聞(六) (光文社文庫)感想
いよいよ吉宗との縁が深まっていく。吉宗は相模屋の一人娘紅を猶子として迎え、聡四郎と結婚させてやろうという。本気なのか。そのまま受けとって良いものかどうか、何らかの裏の意図がありそうだ。吉宗との関係、紅との結婚が今後どうなっていくのか、いよいよ目が離せない。
読了日:5月12日 著者:上田秀人

 


かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (角川文庫)かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (角川文庫)感想
森見氏の『ペンギン・ハイウェイ』上梓が2010年5月のこと、万城目氏の本作上梓は2010年1月のことであった。『ペンギン・ハイウェイ』の主人公アオヤマ君は小学四年生にして「他人に負けるのは恥ずかしいことではないが、昨日の自分に負けるのは恥ずかしいことだ」などと宣う見どころのある少年だった。片や本作の主人公かのこちゃんは小学校一年生の女の子。この子が好きな言葉は「いかんせん」「ほとほと」「やおら」「たまさか」「刎頸の友」だというのだから、こちらもなかなか見どころのある少女なのだ。なんとなく似ている。何故だ?
読了日:5月8日 著者:万城目学


無私の日本人 (文春文庫)無私の日本人 (文春文庫)感想
中世から江戸時代にかけて武士道が確立されていく中で「人は一代、名は末代」といいながら、後世に名を残し子々孫々の繁栄を願う行動様式こそ日本の心の美しさの原点であろう。そうした心は為政者、権力者に利用されてきたという見方もあろう。しかし私はそのような見方をすべきではないと思う。そのような見方は気高く美しい心を持ってした行為を貶めるものだろう。事実、江戸時代、支配階級であった武士のおおかたは身分の低い町民よりも貧しく質素な生活をしていたのであり、諸外国の支配階級のように人民からの搾取で生きていたのではない。
読了日:5月6日 著者:磯田道史


ヘラヘラつうしん 86ヘラヘラつうしん 86感想
印象深かったのは「山桜に会に」でした。広峯神社のウラから続く尾根径を行ったところに墓地があって山桜が一本立っているとのこと。岩田さんがこの山桜と親しむようになられたのは40歳の頃だそうです。「ハイキング気分で自然歩道の尾根径をつたって会える山桜に親しみを思うという、あのあたりが”老い”を感じる最初だったのかもと今になって思います」との一文。わかるなぁ。
読了日:5月5日 著者:岩田健三郎


迷いアルパカ拾いました (文春文庫)迷いアルパカ拾いました (文春文庫)感想
前作ではダチョウが道交法上は軽車両に該当することを知り、そして今作では、迷いアルパカは拾得物だと知った。どうでも良い知識です。そういえば、タイ王国の首都バンコクの正式名称なるものも作者のあとがきを読んで知った。「 クルンテープマハナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラアユッタヤー・マハーディロッカポップ・ノッパラッタラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェットマハーサターン・アモーンピマーンアワターンサティット・サッカタットティヤウィサヌカムプラシット」がそれである。寿限無さながらです。
読了日:5月4日 著者:似鳥鶏


オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン (集英社文庫)オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン (集英社文庫)感想
毎週放送のつづきものホームドラマを視るような感覚で読める家族小説の名作です。シリーズも数えて第9弾になりました。普通ならそろそろ・・・でしょうが、私としてはもっともっと続けてほしい。長期にわたるシリーズものはややもすればマンネリ化の謗り種となる。しかしそれの何処が悪いのだ。マンネリ化結構、「釣りバカ」よりも「寅さん」よりもどんどん続けて欲しいのだ。ここには大家族へのノスタルジーがある。私のように子ども時代を大家族で育った人間にとってそれは心のふるさととでも云うべきものです。
読了日:5月3日 著者:小路幸也


ヘラヘラつうしん 85ヘラヘラつうしん 85感想
今号で良かったのは「スミレの花咲くころ」と題されたエッセイ。子どもの頃の岩田さんの繊細な気持ちがよく表れています。もう一つは水上小学校六年生の藤本あや乃ちゃんの作文。子どもの頃に夢中になって楽しめることが見つかるのはとても良いことです。逆に良くない(と私が思う)のは「どないなんの憲法9条」。「安倍晋三さんは憲法9条をないものにしたがっておられる」というのはどうでしょう。曲解ではないでしょうか。確かに9条改正の考えをお持ちでしょうが、戦争放棄の基本理念までなくそうということではないでしょう。違いますか?
読了日:5月3日 著者:岩田健三郎


ひょうごの在来作物―つながっていく種と人ひょうごの在来作物―つながっていく種と人感想
在来種・地域固有種がなくなりつつある。今、畑で作られている野菜は違った両親を人工的に交配させてつくるF1品種とよばれる種からできている。F1品種は作りやすく見た目が良い。本書は昔からその土地に伝わった作物を作り、種を採り、食べて続けてきた農家さんを紹介している。興味深いのは、そうした農家さんが高邁な理想に突き動かされて在来種を作り続けているのではないこと。ただおいしいから作っていらっしゃるのだ。作りやすさや見た目でなく、その作物の持つ味という本当の価値が分かる人によって種が受け継がれているのである。
読了日:5月3日 著者:


地の業火―勘定吟味役異聞〈5〉 (光文社時代小説文庫)地の業火―勘定吟味役異聞〈5〉 (光文社時代小説文庫)感想
今巻で聡四郎は尾張家・義通の急死の謎を探るべく京へ上ることとなった。図らずも紀伊国屋文左衛門が同道することに。悔しいが現時点で人の幅、深みにおいて聡四郎は文左衛門に及ばない。剣での幾多の修羅場はくぐり抜けてきた聡四郎であるが、浮き世の経験、当主としての経験においては、文左衛門はさすがである。  さて、金座をめぐる謎が次巻でどのような展開を見せるのか。それが八代将軍・吉宗にどうつながっていくのか、興味あるところ。続きを読もう。
読了日:5月3日 著者:上田秀人


ヘラヘラつうしん 84ヘラヘラつうしん 84感想
20P~21Pに掲載の絵「空みたか」が良い感じで好きです。「あんまり いい 晴れなので 2階の窓から」 とのコメントどおり、いい空です。春が来たうれしさをしみじみ感じます。また今号には岩田さんの描かれた似顔絵が数点掲載されています。うす墨で三分ほどで描かれるそうです。描かれたばかりの絵がなんとなく懐かしく感じられます。家族で描いてもらうと、家族それぞれの心の中に絵が残りそうです。きっと絆が深まります。いいですねぇ。岩田さんが読んでいらっしゃるという『落語手帖』(矢野誠一・著)は私も読んでみたくなりました。
読了日:5月1日 著者:岩田健三郎

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