ウェルズの日記

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『株価暴落』(池井戸潤・著/文春文庫)

『株価暴落』(池井戸潤・著/文春文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

 巨大スーパー・一風堂を襲った連続爆破事件。企業テロを示唆する犯行声明に株価は暴落、一風堂の巨額支援要請をめぐって、白水銀行審査部の板東は企画部の二戸と対立する。一方、警視庁の野猿刑事にかかったタレコミ電話で犯人と目された男の父は、一風堂の強引な出店で自殺に追いこまれていた。傑作金融エンタテイメント。

 

株価暴落 (文春文庫)

株価暴落 (文春文庫)

 

 

池井戸氏お得意の金融をテーマにしたサラリーマン小説。会社とそこに働く人間の倫理を問う熱い闘いが最大の魅力だが、ミスリードを利用したミステリの要素もあり大いに楽しめる内容でした。厳しい判断を迫られる融資の現場で、信念を持って誠実に自分の責任を果たそうとする男と邪な考えと卑しい打算に流れようとする輩との闘いはいつものパターンだが、それこそが池井戸氏の小説を読むときに期待する味である。これがなければ印籠の無い水戸黄門になってしまうではないか。お約束の「最後に正義が勝つ」エンディングにカタルシスを感じ「さあ頑張ろう」と気合いを入れるのは私だけでは無いだろう。

電車の時間待ちに、駅近くにある古本屋に立ち寄り手に取ったわずか170円の本に極上の時間をもらいました。