佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『天下り酒場』(原宏一・著/祥伝社文庫)

天下り酒場』(原宏一・著/祥伝社文庫)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

 経営不振の割烹居酒屋「やすべえ」の店主ヤスは、ある人物を雇って欲しいと常連客に頼まれた。それはなんと、片倉という県庁の役人。居酒屋に天下った片倉は元役人の事務能力を発揮、食材の一元管理と仕入れの効率化で店を黒字に転じた。勢いにのった片倉はヤスに店舗拡大を唱え始めるが……。『床下仙人』でブレイクした著者が放つ、現代日本風刺小説!表題作『天下り酒場』を含めた6編を収録!

 

天下り酒場 (祥伝社文庫)

天下り酒場 (祥伝社文庫)

 

 

 初・原宏一である。

 知人I女史からの借り本。

 確かに奇想です。何とも云えず嫌なテイスト。たまにはこんなのも良い。私は基本ハートウォームなものが好きなので、原氏の他作を読むかどうかは微妙。本書に収められた6作の中では「昼間の盗聴器」が好み。少しだけ心が和んだ。後は・・・。「ボランティア降臨」なんてのは、何とも云えず不気味で嫌な味。ただしこの不気味さはは二度と忘れることはないであろう味。原氏はそうしたものが書きたかったのでしょうから、短編小説として成功しているかな。 

 いずれにしても自身の選択では読まなかったかもしれない新たな作家を紹介してもらったことに感謝。