佐々陽太朗の日記

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『ひとりでは生きられない ある女医の95年』(養老静江・著/集英社文庫)

『ひとりでは生きられない ある女医の95年』(養老静江・著/集英社文庫)を読みました。まずは出版社の紹介文を引きます。

明治生まれの女が医者になり、愛する男性と結婚するということは、息苦しい時代を懸命に生きることだった。その一途で愛らしい95年の人生を余すことなく正直に描いた愛の自叙伝。(解説/養老孟司)

 

 

ひとりでは生きられない ある女医の95年 (集英社文庫)

ひとりでは生きられない ある女医の95年 (集英社文庫)

 

 

 著者の文章を初めて読みました。それもそのはず、著者・養老静江さんは養老孟司さんのお母様だそうです。本書のあとがきを書かれたのが実に九三歳。自分の思い出をたどって書いてみようと随想を書きはじめられたのが八三歳の頃だったそうです。それだけで頭が下がります。年老いてなお何かを始めようとする意欲がおありになること、始めたことを継続なさることに敬服しました。

 著者の文章は素直で飾らないもの。それを淡々と綴っていらっしゃいます。もともと正直な方なのでしょう。「正直に自分らしく生きる」歳を取っても元気に生きる秘訣かも知れない。