『社葬_準備と対策のすべて』(碑文谷創・著/公益社)を読む。
前半はXデーを迎える前から、Xデーその日、その後社葬を執り行うまでというかたちのドキュメンタリー風に仕上げてある。企業で総務系の仕事をしている人間には臨場感たっぷりの書きぶりである。
後半は実務的な解説。いろいろなかたちが考えられ、してはいけないことはあっても、こうしなければならないということはないのだとふと気づかされる。ただ、会社として眉をひそめられるようなことは避けたい。いきおい前例、他社の例に従うことになることもやむを得まい。こんなところで独自性を出そうとする会社は少ないだろう。ここはやはり無難にというところか。
「一瞬先は闇」、ならば「用意周到」「転ばぬ先の杖」と準備しておきたいがなかなかそうはいかぬ。死を冷徹に見つめるのは個人としても組織としても難しいものだ。