佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

「宝寿 特別純米 生一本」を土井善晴風ジャガイモの煮付けをアテにして

 本日の一献は「宝寿 特別純米 生一本」。

 広島県竹原市の藤井酒造の醸した酒。一般に有名になるタイプの酒ではなく、かなりマニアックかと思います。味が充分のった食べ物に合わせ、燗でやるとよい酒といって良いでしょう。というのも、色と味から判断して充分に熟成をさせきった酒だと思われるからです。味は決して濃くありません。広島県の酒と思えぬ辛口です。料理の味を邪魔しないところが食中酒としての値打ちのあるところでしょう。完全に熟した感のある色とやや強い酸味。けっして濃くはないが複雑な旨みがこの酒に深みを与えています。この味は昨今のブームに乗っかって大吟醸をグラスできゃぴきゃぴ飲んでいるにわか日本酒ファンには理解できないと思います。

 アテに土井善晴風のジャガイモの煮付けと高野豆腐を作りました。高野豆腐はその風味を感じられるようあえてだしの味だけのあっさりしたものにしました。逆にジャガイモの煮付けは味がしっかりと乗ったものになっています。土井善晴氏がテレビの料理番組で作っていらっしゃったレシピで、煮干しを使ったものです。鍋に多めのサラダ油を入れ煮干しを煎ります。煮干しから芳しい香りが漂ったらいったん煮干しを取り出し、皮を剥いたジャガイモを投入して炒めます。ジャガイモに微かに焦げ目がつく程度に炒まったら、鍋にだし汁を入れ煎った煮干しを戻して煮込んでいきます。まずは砂糖を適量入れ甘みをつけて煮込み、汁がかなり減った時点で濃い口醤油で味をつけます。こいつが美味いんです。ジャガイモが美味いのはもちろん、味の乗った煮干しが酒のアテに合うんです。