『愛の領分』(藤田宜永・著/文春文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
過去の事実が二人の情愛をより秘密めいたものにする。
仕立屋の淳蔵はかつての親友夫婦に招かれ三十五年ぶりに訪れた故郷で出会った佳世と齢の差を超えて魅かれ合うが。直木賞受賞作
いやぁ、まいりました。醜いものを読んでしまいました。歳をとってからの愛憎劇なんてもの、あまり読むものじゃあありませんね。生々しすぎて、なんだか体にべっとり汗がまとわりついてしまったような気分になり、風呂に入り直したくなりましたよ。とはいえ一気読みでした。読ませるだけのものはあります。ただ私は今の気分を引きずるのはまっぴら御免です。藤田氏の伝説の青春冒険活劇『鋼鉄の騎士』を読んで口直しをするとしましょう。ただこれが上巻757P、下巻740Pというとてつもない超大作なんですね。これまた別の意味で重い。よしっ! 口直しは軽さを求めて森見登美彦氏の『有頂天家族 二代目の帰朝』を読むとしよう。なんか、ハチャメチャ?