『街道をゆく 1 湖西のみち、甲州街道、長州路ほか』(司馬遼太郎・著/朝日文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
「湖西のみち」から、二十五年の『街道』の旅は始まった。琵琶湖西岸の渡来人の足跡を確かめ、信長が逃げ込んだ朽木谷を訪ねる。幼いころの著者が遊んだ奈良の「竹内街道」、「私は日本の景色のなかで馬関(下関)の急潮をもっとも好む」と書く「長州路」には幕末を彩った吉田松陰、坂本竜馬らも登場する。
「湖西のみち」の書き出しを読むだけで私にも詩がはじまった。
「近江」というこのあわあわとした国名を口ずさむだけでもう、私には詩がはじまっているほど、この国が好きである。京や大和がモダン墓地のようなコンクリートの風景にコチコチに固められつつあるいま、近江の国はなお、雨の日は雨のふるさとであり、粉雪の降る日は川や湖までが粉雪のふるさとであるよう、においをこのしている。「近江からはじめましょう」というと、編集部のH氏は微笑した。お好きなように、という合図らしい。
まずは長州路、画家の風間完氏が菓子を食べ、天井や欄間、軒先を見ながらながら「ちょうどいい」と言った宿『松田屋ホテル』へ泊まってみるか。西郷・木戸・大久保が密議を重ねたという東屋がある庭を散策し、風呂につかりながら維新の時代に思いを致すのも楽しいだろう。
まずは第1巻の目次は次のとおり。
シリーズ43巻のタイトルを整理しておく。第43巻まで全て読み終えるのはいつのことだろう。司馬氏が本シリーズを著し始めたのは1971年のことだという。1996年に急逝され未完のまま絶筆となったから四半世紀をかけていらっしゃる。私が実際にその地を全て訪れるのはまず不可能だ。特に海外に行くことはないだろう。
1.甲州街道、長州路ほか
2.韓のくに紀行
3.陸奥のみち、肥薩のみちほか
4.郡上・白川街道、堺・紀州街道ほか
5.モンゴル紀行
6.沖縄・先島への道
7.大和・壺坂みちほか
8.熊野・古座街道、種子島みちほか
9.信州佐久平みちほか
10.羽州街道・佐渡のみち
11.肥前の諸街道
12.十津川街道
13.壱岐・対馬の道
14.南伊予・西土佐の道
15.北海道の諸道
16.叡山の諸道
17.島原半島、天草の諸道
18.越前の諸道
19.中国・江南のみち
20.中国・蜀と雲南のみち
21.神戸・横浜散歩、芸備の道
22.南蛮のみちI
23.南蛮のみちII
24.近江散歩、奈良散歩
25.中国・?のみち
26.嵯峨散歩、仙台・石巻
27.因幡・伯耆のみち、檮原街道
28.耽羅紀行
29.秋田県散歩、飛騨紀行
30.愛蘭土紀行I
31.愛蘭土紀行II
32.阿波紀行、紀ノ川流域
33.白河・会津のみち、赤坂散歩
34.大徳寺散歩、中津・宇佐の道
35.オランダ紀行
36.本所深川散歩、神田界隈
37.本郷界隈
38.オホーツク街道
39.ニューヨーク散歩
40.台湾紀行
41.北のまほろば
42.三浦半島記
43.濃尾参州記