佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

父の日

今日は「父の日」らしい。

父親になって三十年以上経つが、これまでの人生の中で「父の日」だといって何かしてもらった記憶はない。しかし今年は違った。昨年嫁いだ娘夫婦からプレゼントが届いたのだ。おそらく娘の伴侶の心遣いかと。

久世福商店の珍味とブックカバー。一応は私のことを考えてのプレゼントらしい。というのも、親しい知人は私の日常を評して「本を読んでいるか、酒を飲んでいるか、どちらかやな」と言っているからだ。実は「仕事をしている私」もいるのだが、どうやらそれは人には見えないらしい。いったい私のアイデンティティティーとは何ぞや? 

とはいえ、じっくりと考え抜いたプレゼントかどうかはいささか疑問であるものの、とりあえず私向けのプレゼントであることは疑いようもなく、柄にもなく悦んでいる自分に戸惑いつつ酒を飲んだ。 

もらった珍味のうち今日はオイルサーディンを食することにした。こいつは旨い。スッキリした酸味も欲しいので冷蔵庫で冷えたトマトを切り、オリーブオイルと岩塩をかけたアテも用意しました。この取り合わせは悪くない。というよりすばらしい。

酒は「御湖鶴 純米酒 諏訪湖の花火」。

ちなみにもらったブックカバーで初めて包んだ本は『十一面観音巡礼』(白洲正子・著/講談社文芸文庫)でした。これから使えば使うほど革独特の色艶がついて手になじむはずです。5年後、10年後、20年後にどんな色合いと光沢を出してくれるか楽しみです。あっ、自分の見積りでは5年後はありそうですが、10年後は無いかもしれません。まぁ、死んだときは棺桶に入れてもらいましょう。包んでもらう本は『緑雨警語 』(斎藤緑雨・著/冨山房百科文庫)にでもしてもらいましょうか。この本ならばあの世に行っても退屈せずにすみそうですから。