佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『昨日のまこと、今日のうそ 髪結い伊三次捕物余話』 (宇江佐真理・著/文春文庫) Kindle版

『昨日のまこと、今日のうそ 髪結い伊三次捕物余話』 (宇江佐真理・著/文春文庫) Kindle版を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

 

 

青春を迎え心悩ます子どもたち。
累計180万部突破の、人気シリーズ第13弾

松前藩主の嫡子・良昌からの再三の申し出に、側室になることを決意した不破茜だが、良昌の体調が刻一刻と悪化していく。
一方、才気溢れる絵を描く弟弟子から批判され、自らの才能に悩む伊与太は当代一の絵師、葛飾北斎のもとを訪ねる。
人生の岐路に立つ若者たちに、伊三次とお文はなにを伝えられるのか。
亡き著者の大人気シリーズ、いよいよ佳境!
解説・大矢博子

【目次】
「共に見る夢」
「指のささくれ」
「昨日のまこと、今日のうそ」
「花紺青」
「空蝉」
「汝、言うなかれ」

 

 松前藩に奉公する茜がいったいどうなるのか気をもんでいたのだが、嫡子・良昌の死であっけなく気がかりが消えた。出版社の紹介文には”松前藩主の嫡子・良昌からの再三の申し出に、側室になることを決意した”とあるが、そのいい方は正確ではない。茜の心はもっと複雑である。茜の性格からして決意したのならもっと潔い態度をとったはず。誰が書いたか知らないが、出版社がこの程度の読み込みでは心許ない。物語はいよいよ佳境に入ったが、今後は伊与太が絵師として大成するのか、そして伊与太と茜との関係は発展するのか、そのあたりが焦点となる。二年前のご逝去により未完となっているのでどこまで綴られるのかが気になるところ。・