佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『深川恋物語』 (宇江佐真理・著/集英社文庫) Kindle版

『深川恋物語』 (宇江佐真理・著/集英社文庫) Kindle版を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

大店のお嬢さんが、お仕着せの人生を捨て、真に愛する人と共に生きようとする姿が清清しい「下駄屋おけい」。互いを想う気持ちがすれ違っていく夫婦の、やりきれなさが胸に迫る「さびしい水音」。交錯する恋心に翻弄されていく男女四人の哀しみが描かれる「仙台堀」など、江戸・深川を舞台に繰りひろげられる、六つの切ない恋物語。第21回吉川英治文学新人賞受賞作。

 

深川恋物語 (集英社文庫)

深川恋物語 (集英社文庫)

 

 

 またまた旅の空での時代もの。但馬の旅館で読みました。

 吉川英治文学新人賞受賞作というから、宇江佐さんの初期の作品らしい。そこにあるのは人情の温かさと凜とした矜持。六つとも粒ぞろいの小編。とりわけ「下駄屋おけい」「がたくり橋は渡らない」「凧、凧、揚がれ」が素晴らしい。MVPは「がたくり橋は渡らない」だろう。何度読み返しても良い。