佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

本州最果ての地むつ市居酒屋紀行(くるまざ、武田屋)

「むつグランドホテル」で夕食とともに御酒をたんといただいたあと、むつ市の居酒屋を探索すべく出かけた。居酒屋があるエリアは田名部神社周辺。ホテルからタクシーで10分とかからないところである。

 まず目を付けたのは「くるまざ」。カウンター中心の店で、店内はジャズが流れておりリラックスして飲める。1杯目の酒は「南」。青森に来て高知の酒を頼まなくてもと思うが、好きな銘柄なので口が滑ってしまった。2杯目からは「カネタ斬」「菊の井」と地元の酒を頼む。「カネタ斬」はキリッとした男酒。「菊の井」は辛口であっても滑らかさがあるやさしい味。「カネタ斬」を燗でも頼んでみたが、冷やに比べて膨らみが出て旨い。燗上がりする酒です。アテは肉味噌胡瓜とホッケ。ホッケはさかなへんに花と書いてありました。ホッケの味は脂が控えめでサッパリ上品な味。大きさも中ぶり。おそらく真ホッケだろう。縞ホッケだともっと大ぶりで脂っこいものです。胡瓜に添えられた肉味噌を旨いと褒めたらサービスで小皿に盛って出してくれました。おかげで2合ばかり余分に飲んでしまった。

 ホテルで酒を飲み、「くるまざ」でもたんと酒をいただいたが、これで帰るのはもったいない。もう一軒行こうと近くを探索。3分ばかり歩いたところに「武田屋」という居酒屋を発見。エントランスの階段に貼ってある酒瓶のラベルを観ただけで日本酒愛が伝わってくる。

 この居酒屋の北約100mにある酒蔵・関乃井酒造に敬意を表して「関乃井 純米酒 おしまこ美人」を冷やでやる。店主にネーミングについて尋ねると「おしま」という名前の美しい娘が盆踊りの輪の中にいて、殿様が大いに喜んだという下北半島の言い伝えから来ているとのこと。この酒は下北産米が豊作の時だけ醸されるという縁起のよい酒。地元でなければめったに飲めない。アテに「なめろう」と「みそ貝焼き」を注文。「なめろう」は鮮度がよいのだろう。臭みが少なく、控えめの味噌味が魚の旨みを引き出している。「みそ貝焼き」はメニューの一番上に書いてあるだけに文句なしの旨さ。酒のアテに最高である。2杯目の酒は八戸の銘酒「陸奥八仙 おりがらみ」。やわらかい口当たり、上品な甘みのよい酒です。これは何杯でもいける。旨いアテに旨い酒。お店も中の良さそうな店主夫婦が切り盛りしている。この居酒屋は良いです。もう一度下北を訪れることがあれば、必ず再訪します。