『太陽といっしょ』(新宮晋・作/クレヨンハウス)を読みました。
子どもにとって毎日が新鮮であり、一日一日が冒険の連続であること。その冒険を終え帰る家、そこに待つ母親の存在が安らぎであること。おそらく新宮さんの子どもの頃の記憶をもとに書かれた物語だろうが、それを読む私の胸にも懐かしい感覚が蘇る。そうそう、子どもにとって自転車は魔法のような乗り物で、未だ見ぬ世界を冒険するための道具だった。自転車に乗ると風が、空が、雲が、新しい冒険へと私を誘ってくれた。
巻末に新宮さんの言葉があった。この言葉を読めただけで、この本を買った意味があったというものだ。
ぼくが小さかったころ、さびだらけの自転車が一台あった。
この自転車は、世界中どこにでも行ける
魔法の乗りものだと、ぼくは信じていた。
いつから迷いこんだのか分からない、
犬の仲良しの雑種の犬もいた。
毎日毎日が冒険と発見の連続だった。
そして思い出の中では、いつも太陽がいっしょだった。
新宮 晋
新宮さんの風や水という自然エネルギーで動くオブジェは子どもの心で造られたものなのだなと思った次第。