佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2017年11月の読書メーター

 普段の月に比べ先月は極端に冊数が落ちた。こんなことではいかんと思いながらも、他にやるべきことがあればやむを得ない。

 何かを得れば何かを失う。時間は有限なのだとあらためて思う。本の海は制覇するにあまりに広く、人の命はあまりに短い。焦るな~~! (^^ゞ

 

11月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:968
ナイス数:453

ぱっちり、朝ごはん (おいしい文藝)ぱっちり、朝ごはん (おいしい文藝)感想
特に共感を呼ぶのは「森下典子──漆黒の伝統」だ。海苔佃煮に対する偏愛ぶりは私も森下さんも共通のもの。日本には同じような方が多いのではないか。「万城目学──モーニング」は京都の喫茶店について書いたもの。百万遍の「進々堂」、東大路通の「喫茶 六花」に心惹かれる。「吉村昭──朝のうどん」は宇和島で早朝だけ営業しているうどん屋の話。おそらく「やまこうどん」のことかと思われる。この店のことは以前から噂に聞いており、私は以前から行きたいと思っていた。どれを読んでも興味深い。ほんに私は朝ごはんが好きだ。
読了日:11月22日 著者:林 芙美子,色川 武大,久保田 万太郎,角田 光代,よしもと ばなな,石垣 綾子,堀井 和子,森下 典子,井上 荒野,佐藤 雅子,万城目 学,山崎 まどか,吉村 昭,小泉 武夫,山本 ふみこ,團 伊玖磨,椎名 誠,西川 治,東海林 さだお,池波 正太郎,小林 聡美,阿川 佐和子,蜂飼 耳,渡辺 淳一,向田 邦子,河野 裕子,筒井 ともみ,堀江 敏幸,窪島 誠一郎,増田 れい子,川本 三郎,久住 昌之,徳岡 孝夫,立原 正秋,佐野 洋子


最終退行 (小学館文庫)最終退行 (小学館文庫)感想
優しい心であったり、人として誠実であろうとする心は時に足かせになる。そんな心を持った行員が、それ故に出世に後れをとったとして、それは己の考えに従ったまでのことと我慢する。しかし、そうした人がさらに踏みつけにされ、真実が不当にゆがめられ責めを負わされるに至っては我慢も限界。「やられたらやり返す!」日本人はそうした勧善懲悪復讐劇が大好物なのだ。私も日本人のはしくれである。いやらしい悪人が小馬鹿にしていた人間からおもわぬ反撃をくらい、こてんぱんにやられた瞬間、やんややんやの拍手喝采をおくるものだ。
読了日:11月22日 著者:池井戸 潤


太陽といっしょ太陽といっしょ感想
子どもにとって毎日が新鮮であり、一日一日が冒険の連続であること。その冒険を終え帰る家、そこに待つ母親の存在が安らぎであること。おそらく新宮さんの子どもの頃の記憶をもとに書かれた物語だろうが、それを読む私の胸にも懐かしい感覚が蘇る。そうそう、子どもにとって自転車は魔法のような乗り物で、未だ見ぬ世界を冒険するための道具だった。自転車に乗ると風が、空が、雲が、新しい冒険へと私を誘ってくれた。  巻末に新宮さんの言葉があった。この言葉を読めただけで、この本を買った意味があったというものだ。
読了日:11月21日 著者:新宮 晋


こぽこぽ、珈琲 (おいしい文藝)こぽこぽ、珈琲 (おいしい文藝)感想
31人の達眼の士の目に映る珈琲のある日常。植草甚一、内田百閒、柏井壽、寺田寅彦常盤新平村上春樹吉田健一・・・。すごい顔ぶれです。珈琲にもエイジングがあるのだとか。やはり「おいしい」というのはこれと決まったものではなく複雑に積み重ねたものやちょっとしたゆらぎなのだな。家で飲む珈琲が一番おいしいと感じる幸せ、朝起き抜けのベッドで飲む珈琲の幸せ、寒い冬にラム入り珈琲を飲む幸せ、神田神保町でお気に入りの古本を読みながら飲む珈琲の幸せ。ほっこり温まった。1篇を除きすべてに満足。H.I氏だけはいただけない。
読了日:11月10日 著者:阿川佐和子,泉麻人,井上ひさし,植草甚一,内田百閒,柏井壽,片岡義男,草森紳一,黒井千次,小島政二郎,佐野洋子,清水幾太郎,滝沢敬一,種村季弘,團伊玖磨,塚本邦雄,寺田寅彦,常盤新平,外山滋比古,永江朗,野呂邦暢,畑正憲,星野博美,湊かなえ,向田邦子,村上春樹,村松友視,森本哲郎,山口瞳,吉田健一,よしもとばなな

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