『ロマンチックSF傑作選 (集英社文庫 コバルトシリーズ 23-A)』(豊田有恒・編/集英社文庫)を読みました。
ロマンチックSF傑作選 (集英社文庫 コバルトシリーズ 23A)
- 作者: 豊田有恒
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1977/04
- メディア: 文庫
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国内作家のロマンチックSFを豊田有恒氏が編纂したアンソロジー。
堺を旅していたときに町家ギャラリーで見つけた古書。こうしたタイトルの本は私の大好物であって、見つけたら即購入。300円であった。収録された11編は次のとおり。
- 「人魚姫の昇天」小松左京
- 「死を蒔く女」平井和正
- 「世界樹の高みに」田中光二
- 「レモンのような二人」筒井康隆
- 「ラブレター作戦」高倉正
- 「燻煙肉(ハム)のなかの鉄」山田正紀
- 「青白い月」眉村卓
- 「スネーク」荒巻義雄
- 「巨鳥モア」河野典生
- 「帰還者」豊田有恒
- 「キューピッド」星新一
「死を蒔く女」「ラブレター作戦」「燻煙肉(ハム)のなかの鉄」「帰還者」「キューピッド」が良い。中でも「燻煙肉(ハム)のなかの鉄」は秀逸。男女のロマンスを小説のテーマに据えたとして、このような愛のかたちをイメージする人は希有だろう。すごくカッコイイ小説だ。才能を感じる。
総評として期待に対して100点満点中40点かな。期待度が高すぎたところはある。しかし、たとえば『時の娘 ロマンチック時間SF傑作選』(創元SF文庫)や『時を生きる種族 ファンタスティック時間SF傑作選』(ロバート・F・ヤング、フリッツ・ライバー 他:著/創元SF文庫)、『ジェニーの肖像 』(ロバート・ネイサン:著/創元推理文庫) などに比べるとやはりロマンチック度が足りない。日本人はシャイなので敢えて甘い小説は書かないのかもしれない。もちろん日本のSFの中にも『美亜へ贈る真珠―梶尾真治短篇傑作選 ロマンチック篇』(ハヤカワ文庫JA)や『ライオンハート』(恩田陸・著/新潮文庫)など素晴らしいものがある。
- 作者: R・F・ヤング他,ジャック・フィニイ,中村融
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/10/10
- メディア: 文庫
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時を生きる種族 (ファンタスティック時間SF傑作選) (創元SF文庫)
- 作者: R・F・ヤング,フリッツ・ライバー他,中村融
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2013/07/21
- メディア: 文庫
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