佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『おいしい旅 錦市場の木の葉丼とは何か』(太田和彦・著/集英社文庫)

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『おいしい旅 錦市場の木の葉丼とは何か』(太田和彦・著/集英社文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

旅先には名物だけでなく「おいしそうな店」がある――旅の達人・太田和彦が出合った全国各地の絶品をカラー写真とともに紹介。メニューは丼から中華洋食、魅惑の麺類、創意工夫の酒肴と幅広く、読んで写真を眺めれば、訪れたくなること間違いなし! 「サンデー毎日」誌上で人気を博した連載コラムから、京都・松本・浜松・神戸・盛岡・東京の厳選30品を収録。旅情とグルメが詰まったカラー文庫。

 

 

 まずは表紙の写真に喜ぶ。これは根岸の「鍵屋」ではないか。サブタイトルが「錦市場の木の葉丼とは何か」であるのに、東京の居酒屋が表紙を飾るとはこれいかに、などとスルドク突っ込みながらも、太田氏には居酒屋のカウンターが似合うのだ、ウンこれでイイのだ!と妙に納得する。

 中身はといえば、いつもの居酒屋一辺倒というのではなく、食べ歩きに重点を置いている。丼、麺、中華、カレー、洋食と決して高価で贅沢なものを追いかけず、市井のうまいものを写真入りの旅エッセイにしてあります。

 なるほど、京都の中華は引き算なのか。舞妓さんなどの着物にニオイのつかない店とな。中華はいさぎよくコッテリ油っこくいって欲しい気もしないではないが、食べてみたい。もちろんうどん屋さんの丼物も良い。街角にあるちょっとした店のレベルの高さが京都なのだろう。

 また特に臨場感を持って読んだのは松本の旅。「あや菜」「きく蔵」「季寄料理 よしかわ」と私も行ったことのある居酒屋での料理と酒が書いてあります。ただ、中華「百老亭」の麻婆豆腐は知らなかった。私も大の麻婆豆腐好きである。超粗挽きの肉、青太ねぎのぶつ切りの入った花椒たっぷりのせのヒーハー麻婆豆腐ときけば、これはもう行くしかないではないか。今年に入って既に四回松本を訪れた私であるが、近い家にもう一度行こう、松本へ。いや、松本だけではない。浜松へも、盛岡へも、もちろん東京へも行く。その前に近場の神戸を制覇せねば。あぁ、忙しい。