佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『震える牛』(相場英雄・著/小学館文庫)

震える牛』(相場英雄・著/小学館文庫)を読みました。

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平成版『砂の器』、連続ドラマ化!日本中を震撼させた戦慄のミステリー!

警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一は、発生から二年が経ち未解決となっている「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる。初動捜査では、その手口から犯人を「金目当ての不良外国人」に絞り込んでいた。 田川は事件現場周辺の目撃証言を徹底的に洗い直し、犯人が逃走する際ベンツに乗車したことを掴む。ベンツに乗れるような人間が、金ほしさにチェーンの居酒屋を襲うだろうか。居酒屋で偶然同時に殺害されたかに見える二人の被害者、仙台在住の獣医師と東京・大久保在住の産廃業者。
 田川は二人の繋がりを探るうち大手ショッピングセンターの地方進出、それに伴う地元商店街の苦境など、日本の構造変化と食の安全が事件に大きく関連していることに気付く。

WOWOW「連続ドラマW」にて2013年6月より、連続ドラマ化!
出演:三上博史吹石一恵小林薫ほか

 

 

震える牛 (小学館文庫)

震える牛 (小学館文庫)

 

 

 本書は小学館の Iさん、Oさんから頂いたものです。実は私、2009年の8月(Vol.1)から2011年の8月(Vol.25)まで「STORY BOX」という月刊文芸誌を購読していた時期があり(実は最近になって、柏井壽氏の連載を知り購読を復活しているのだが)2011年5月号(Vol.21)から連載されていたのが本書である。4回目の連載まで読んでずっと小説の続きが気にしながら今日まで来てしまっていました。良い機会を与えて頂いたことに感謝します。

 文庫化されたのが2013年5月のこと。読むまで随分日が経ってしまった。もう賞味期限は過ぎてしまった感は否めないが、どうして独特の緊迫感を持ち、最後まで一気に読ませてしまう。最近、狂牛病BSE)という言葉を聞かなくなり、問題になった頃の危機感は薄れているものの、食品偽装など食の安全問題は決して無くなってはいない。私は自分で厨房に立つのでしばしばスーパーマーケットに行く。食材を買うときには産地と添加物を必ず見る習慣がついている。自分や家族の口に入るものがちゃんとしたものかどうか、やはり気になるのだ。本書を読んだ今、更にチェックが厳しくなりそうだ。というより、もう安売りチェーン店やろくな調理をしない居酒屋には行けません。たとえ行ったとしても、栓の抜いてない瓶ビールくらいしか口に入れることができそうにありません。あぁ気持ち悪い。