佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『ビューティフル・マインド A Beautiful Mind』

 映画『ビューティフル・マインド』(2001年アメリカ映画)を視ました。ノーベル経済学賞受賞の実在の天才数学者、ジョン・ナッシュの半生を描く物語。アカデミー賞では作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞を受賞し、ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞を受賞したという高評価の映画。

 ゲーム理論における非協力ゲームの解の概念の中で最も基本的な概念である「ナッシュ均衡」を見いだした天才。正確に理解しているわけではないが、私は30代の頃にゲーム理論に関する本を読んだことがあり「囚人のジレンマ」という理論に感銘を受けたことがある。その意味でジョン・ナッシュを主人公としたこの映画を興味深く鑑賞した。

 ただ、この映画はフィクションとして視た方が良いだろう。というのも主人公ジョン・ナッシュを美化する過程で、不都合な事実はことごとく削られたらしいからだ。もちろんいくつかの不品行があったからといってジョン・ナッシュの学問的功績がいささかも否定されるものではない。「いくら研究成果が優れていても、人格が優れているわけではない」ということをわきまえておくべきと思うだけだ。どうも日本人はノーベル賞アカデミー賞、オリンピックなどの賞を礼讃しすぎる。特にノーベル賞アカデミー賞は選考者の主観で選ばれるのであって、その選考者は一介の人間であって神ではない。特に平和賞や文学賞の選考を視るとその見識を疑ってしまうほどだ。

 

 

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